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〈M side〉
「ちょっと下降りてくるね」
「おれも行く！」
リビングを出ても誰の声もしなくて、若干駆け下りるようにして階段を下りた。
「おかえり、どう…」
だった…？
ニーナの髪に衝撃を受けて、最後は音にならなかった。
「松潤、急だったのにありがとう…ほんと助かりました」
手を膝に置いて律儀に頭を下げる相葉くん。
「いやいや、もともと居座る予定だったし、俺のことは全然気にしなくていいから」
それより、大丈夫なのか？
二人の距離感というか空気感というか、物凄くマズい気がするけど…
「潤くんも来てたんだね！」
…なんだこの貼り付けたような笑顔は。
他の人は騙せても俺にはバレバレだよ、ニーナ。
「松潤あのさ、役で髪切ったことあったりしない…？」
「あーあるよ、数年前だけど。揃えるぐらいならできると思う。俺で良ければ…だけど」
チラッとニーナに目を向けると、
「お願いします！潤くんがいい！」
一瞬で承諾を得た。
何度もお礼を言う相葉くんに、一旦ニーナのことは任せて、と目で伝える。
軽く頷いてくれたから、何となくは伝わったと思う。
「カウンター席使って切ってもらえると助かる。必要なもの持ってくるね」
笑顔を取り繕うニーナも心配だし、微笑みさえしない相葉くんもかなり心配だ。
「何があったのか、話してみない？」
きっと相葉くんには何も言ってないだろうと思い、迷いはしたが声をかけた。
同じ方向を向いていられるこの状況なら、少しは話しやすいんじゃないかと思う。
「まぁくんに、」
「言わないよ、大丈夫」
「ううん、言っていいの。言ってほしい。凜ちゃんきっと話せてないから、わたしがほんとうのこと、話さないと」
無理して話さなくてもいい、それなら相葉くんに話してみよう、どれも違う気がして、ただ無意識に止まっていたハサミを再び動かした。
「まぁくんには嘘ついちゃうの」
消え入りそうな切ない声で、ニーナはそう言う。
「まぁくんのこと大好きなのに、なんでなのかな」
それでも声に震えはなく、嗚咽が聞こえてくることもない。
窓から差す西日に当てられて、手の中の髪は黄金色に輝いている。
「綺麗」
この二文字が相応しい光景だった。
ママと同じ色なんだと、嬉しそうに話してくれたことを思い出す。
「わたしが自分で切った」
次に空気を振動させたのは、芯の通った力強い声だった。
「こんな髪、いらない」
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櫻宮 - もうニーナぁぁぁなんて健気で純粋なんだ君は。櫻宮感動して涙が止まらないよ°･(ノД`)･°･まぁくんに全部話してほしい。と切に願う櫻宮でした！続き気になる！ (2022年2月4日 17時) (
レス) @page9 id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
希乃(プロフ) - 櫻宮さん» いつもコメントありがとうございます…！かなり遅くなりましたが、、もう少し進められるように頑張りますm(_ _)m (2022年2月2日 0時) (レス) id: b8e9a4bb02 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 移行おめでとうございます！先が読めない展開になってきましたね(^^;)続き楽しみです！ (2021年9月8日 18時) (レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：希乃 | 作成日時：2021年8月29日 17時
