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〈A side〉
脳内に蔓延るモヤモヤを追い出そうと、軽く頭を左右に振る。
「相葉さん！少し火強すぎませんか？」
焦りを隠し切れないといった朔ちゃんの声に視線を落とすと、うわっと思わず声を上げてしまった。
「どうかされたんですか…？相葉さんが集中してないなんて珍しいですね」
今日も今日とて真面目に働く愛弟子は、自分の手は止めずに心配だけを含ませた言葉を投げてきた。
「ん〜、大した事じゃないんだけどねぇ…」
そう、考えたって仕方のない事なんだけども…
「ねぇ朔ちゃん、俺ってそんな頼りないかな？」
一人で消化できそうもなく投げ返してしまった。
「え？相葉さんがですか？…僕から言わせて貰えば、相葉さんは『頼りない』の裏側に住む人です」
…つまり頼れるってことね？
まぁ、朔ちゃんに聞けばそう返ってくるのは分かってたけど…
「新那ちゃんが悩みを打ち明けてくれない、とかですか？」
「え、朔ちゃんってばやっぱ超能力者？それとも俺の心が読みやすいだけ？」
朔ちゃんが少し困ったように、眉尻を上げて微笑む。
「だって、相葉さんが僕に相談するなんてよっぽどじゃないですか。それに、相葉さんをあまり頼ろうとしないのは新那ちゃんぐらいですし…」
それを言うなら朔ちゃんもでしょ、という言葉は話が逸れそうで飲み込んだ。
「でも、悩みを話さないのには何か訳があるのかもしれませんよ？相葉さんが頼りないからというより、迷惑をかけるのを気にしてるとか、父親には話しにくいことなのかもしれないですし…」
「そっか…そうだよね」
迷惑…は少しありそう、ニーナは幼いながらに周りに気を遣う子だから。
父親…には話しにくいこともやっぱあるよねぇ…こればっかりはどうしようもないけど、身近に大人の女性がいないってのは良くないよね…
一人悶々としていると、実は…と朔ちゃんが控えめに切り出した。
「僕も最近、同じような理由で頭を抱えてるんです」
「それってつまり、凜ちゃんが…？」
「はい…楽しかったこと、嬉しかったことなんかは本当にずっと喋ってるんですけど、悩みとか悲しいことになると途端に話せなくなるんです。言葉が全部涙に変わっちゃう感じで…」
少し伏せられた長い睫毛が暗い影を落としている。
「話そうとはしてくれるので新那ちゃんとは少し違いますが………難しいですよね、話してくれないと何もしてあげられないですしね」
結局二人して溜め息をつくという、救えない状況になってしまった。
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櫻宮 - もうニーナぁぁぁなんて健気で純粋なんだ君は。櫻宮感動して涙が止まらないよ°･(ノД`)･°･まぁくんに全部話してほしい。と切に願う櫻宮でした！続き気になる！ (2022年2月4日 17時) (
レス) @page9 id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
希乃(プロフ) - 櫻宮さん» いつもコメントありがとうございます…！かなり遅くなりましたが、、もう少し進められるように頑張りますm(_ _)m (2022年2月2日 0時) (レス) id: b8e9a4bb02 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 移行おめでとうございます！先が読めない展開になってきましたね(^^;)続き楽しみです！ (2021年9月8日 18時) (レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：希乃 | 作成日時：2021年8月29日 17時
