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〈A side〉
「ニーナ、そういえばさ…」
器用に目玉を傷つけずに食べ進めているニーナは、顔を上げずに続く言葉を待っている。
昨夜、翔ちゃんから電話があった。
心配かけて悪かった、もう大丈夫だと、そういった内容だった。
最近は翔ちゃんと和ちゃんのことが気掛かりで、それを言い訳にニーナと向き合うことから逃げていた。
翔ちゃんはきっと、物凄く頑張ったに違いない。
そして和ちゃんも。
二人が元通りになり安心した一方で、自分もいよいよ逃げてられないと思ったのだ。
よし、と声に出さずに腹を括る。
何も恐れることはない、俺はニーナの父親なんだから…
「学校、楽しい？３年生になってからよく疲れて帰ってきてるけど、何か困ってることとか、ない？」
警戒されないように…って言っても、こんなこと聞いてる時点で既に怪しいのだけど…出来るだけいつも通りのトーンで尋ねた。
「…楽しいよ！３年生になって６時間目が増えたから、ちょっと大変なだけ！」
ニーナは『どうして？』とは言わなかった。
きっと最近の自分の異変を俺が心配していることは分かっていたのだろう。
分かった上でそのまま突き通そうとしている。
「そっかぁ〜、新しいお友達はできた？」
「できたよ。そんないっぱいはいないけど！」
意地でも目を合わせないつもりだな…
最後に取っておいた双子の黄身を嬉しそうに頬張るニーナを眺め、どう斬り込んでいこうかと思案する。
凜ちゃんによるとニーナには友達が沢山いるらしいが、それは凜ちゃんの目にそう映っているだけなのだろうか。
だって、友達がいないのを隠したいなら分かるが、いるのを隠す必要はない。
やっぱり、そんな深く考えなくてもいいんだろうか…
「仲良い子が何人かいれば十分だよね」
「うん。…ごちそうさまでした！」
席を立とうとするニーナを、あと一つだけと引き止める。
「朔ちゃんの妹の凜ちゃんがさ、ニーナと同じクラスらしいんだけど知ってた？」
え、凜ちゃん…？
ニーナが思わずといった様子で呟いた。
…もしかして、凜ちゃんとの間に何かあるんだろうか。
「確かに苗字一緒だけど、さっくんの妹だったんだね！そんなに話したことないから知らなかった」
白々しいな…
本当に今知ったなら、もっと大騒ぎしているはずだ。
ニーナは朔ちゃんのこと大好きなんだから。
小走りで食器を片付けに行く後ろ姿に、これ以上突っ込んでほしくないと書いてある。
ニーナ、それは何のための嘘なんだ…？
3→←Don't tell me tender lies. 1
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櫻宮 - もうニーナぁぁぁなんて健気で純粋なんだ君は。櫻宮感動して涙が止まらないよ°･(ノД`)･°･まぁくんに全部話してほしい。と切に願う櫻宮でした！続き気になる！ (2022年2月4日 17時) (
レス) @page9 id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
希乃(プロフ) - 櫻宮さん» いつもコメントありがとうございます…！かなり遅くなりましたが、、もう少し進められるように頑張りますm(_ _)m (2022年2月2日 0時) (レス) id: b8e9a4bb02 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 移行おめでとうございます！先が読めない展開になってきましたね(^^;)続き楽しみです！ (2021年9月8日 18時) (レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：希乃 | 作成日時：2021年8月29日 17時
