10 ページ38
〈S side〉
「ねぇ翔くん。相葉ちゃん、変じゃなかった？ミアの意味聞かれた時」
智くんも違和感、感じてたんだ…
「犬の名前では、ないと思う」
雅紀のいないところで話していいものか迷ったが、雅紀の一番近くにいる智くんには、俺の気付いていることを伝えておくに越したことはないと思い、口を開いた。
「俺、大学でドイツ語専攻してたんだ。何回か行ったこともある」
智くんは突発的な俺の話に驚きつつも、何も言わず続きを待ってる。
「…グリーンアイって北欧に多いんだ。ニーナとミアも、そのあたりでよく使われる女性名だよ。それに、ニーナがドイツの童謡歌ってんの聞いたこともある」
「つまりミアは、ニーナの母親の名前ってこと？」
「あくまで可能性の話だけど」
「もしそうだとしてさ、あの相葉ちゃんがニーナに嘘ついてまで隠す必要って何だ？」
「そう、俺もそこが引っかかってるんだ。まぁ一つ言えるとしたら、雅紀は何かを守ろうとしてるってことぐらいだよな」
雅紀には感謝してもしきれないぐらい恩がある。
あの心優しい親子のためにできることがあるのなら、俺は何だってする。
それはきっと、智くんも潤も同じ気持ちだ。
帰宅してすぐにお風呂を沸かして床暖のスイッチを入れ、適当にニュース番組をつける。
和はなぜか眠気が覚めたみたいで、俺の横に座って食い入るようにテレビを見つめてる。
意味分かってんのかな？
和が興味を示したものを説明しながら一緒に見てると、スマホから通知を知らせる音が鳴る。
『遅くにごめん。仕事終わり翔さんち行ってもいい？長居はしないから』
潤からだ。
昼間のこともあって、迷わず『了解』と返信した。
相談、してくれるのだろうか。
もしそうなら、潤の思いに応えたい。
和を寝かせて、洗濯機が止まるのを待ちがてら仕事の資料に目を通していると、インターホンが鳴った。
「ごめんね、翔さん。押しかけちゃって」
「全然。ゆっくりしてって」
思ってたより元気そうな潤を招き入れてソファーに座ってもらう。
台所でコーヒーをセットしてたら、
「翔さん、前より部屋汚くなってない？」
と軽口が飛んできた。
「和は？もう寝たの？」
「うん」
「そっかー、せっかくだから会いたかったな〜」
コーヒーを渡して隣に腰掛けても、潤は本題に入ろうとしない。
「潤、俺に話したいことがあって来たんだろ？」
しびれを切らして俺から聞くも、
「あー、うん」
と曖昧な返事が返ってきた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 426人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
希乃(プロフ) - 北嶋 蛍さん» コメントありがとうございます！楽しみにしていただけてすごく嬉しいです！頑張ります！ (2020年1月5日 2時) (
レス) id: 2b1adbc3c9 (このIDを非表示/違反報告)
北嶋 蛍(プロフ) - こんにちは、和くんが可愛くて、お話が興味深くて続きがとても楽しみです！これからも頑張ってください！ (2020年1月5日 1時) (レス) id: 3ab18a4c3f (このIDを非表示/違反報告)
希乃(プロフ) - 萌和*さん» はじめまして。そう言っていただけるとすごく嬉しいです。ありがとうございます！これからも応援よろしくお願いします！ (2019年12月29日 19時) (レス) id: 2b1adbc3c9 (このIDを非表示/違反報告)
萌和*(プロフ) - はじめまして。どタイプなお話すぎて一気に読ませてもらいました！続き、楽しみにしてます(^^) (2019年12月29日 18時) (レス) id: 270b2e26c0 (このIDを非表示/違反報告)
希乃(プロフ) - 花想いさん» ありがとうございます！コメントいただけて嬉しいです。これからもかわいい和をたくさん書けるように頑張ります！ (2019年12月25日 15時) (レス) id: 2b1adbc3c9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：希乃 | 作成日時：2019年11月6日 23時
