【QK】誰も知らない恋を君と（kwmr） (ページ5)

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3　コデマリページ5

最近、不思議なお客さんがいる。

真面目そうな人だけど、笑うと親近感が沸く、そんな人。

その人はいつも300円と一緒に花束を渡してくれる。

しかも、その人はどうやらこの店が「みえて」いるみたいで。

本当に不思議なお客さんだ。

そんなことを考えながら、私はイベリスとニゲラを花瓶に入れた。

洒落た花を持ってくる人だな、と思う。

春の香りは四季の中で一番好きだ。

心躍るような、そんな香り。

春は出会いの季節という。

その別称は何故かと思っていたけど、

案外的を得ているのかもしれない。

それでも、「そとの世界」は苦手だ。

四季など関係ないとでもいうかのように、

毎日が淡々とモノクロームの中で過ぎていく。

それでいて目まぐるしく変貌を遂げる世の中は、

誰の産物かと何時も思う。

庭に咲いたコデマリが楽し気に揺れている。

あの方にぴったりな花だと、何故か少し可笑しく思った。

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コデマリ「優雅」