検索窓
今日:5 hit、昨日:4 hit、合計:57,850 hit

ページ33

いま、僕は仁部井さんとカフェに来ている。


仁部井さんは、いつもつけてる眼鏡をはずしていて、雰囲気が違って、なんていうかめっちゃいい感じだった()


いつもは後ろで束ねられている髪はハーフアップにされていて、なんていうかきれいだなって思った。


カフェまでの道を歩いているときも、注文をする列に並んでいるときも、仁部井さんは僕の隣にいた。

こういう時に上手く言えたらいいんだろうけど、僕は緊張してそれどころじゃなかった。


「ご注文をお伺いします。」


『あ、モンブランと、ブラックコーヒーと、あと、プリンで』

「あ、えと、季節のフルーツタルトと、あと、紅茶と、プリンで」

仁部井さんがプリンを好きなことくらい把握済みだから、プリンを頼むのは当然だ。


「わかりました。あと、カップルの方でしたらあちらの席がお勧めでございます。そちらになさいますか?」


カップルじゃないんだよなあ

仁部井さんは嫌な思いをしていないだろうか、とふと気になって横を見ると、


耳を真っ赤にした仁部井さんがいた。

え、意外。

こういうの、てっきり気にしない人だと思ってた。

『あっ、あの……』


仁部井さんがしどろもどろになって、断ろうとするのを見た瞬間、僕はいじわるしたくなっちゃった。


「わかりました!その席にします」


『んえ!』


「だめ……?」


『べっ、、別に、いいけど』


「やったあ!」



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「このプリンおいしいね〜」

仁部井さんは、さっきからすごく幸せそうにプリンを食べている。


『うん!!めっちゃおいひい!!』


あっという間に、仁部井さんはプリンを食べてしまった。


『なんでこんなに早くなくなるんだよ……』

そう呟いた仁部井さんは、僕のプリンをじっと見ている。

食べたいのかな?

「僕のプリン、食べる?」


『そんな、悪いよ』

口ではそういいながらも、仁部井さんはすごく無念そうだった。


「いいって、遠慮しないで」


僕はプリンを掬って、仁部井さんの方に向けた。


「はい!どーぞ!」


でも、仁部井さんは口を開けるどころか、それを左手で隠してそっぽを向いてしまった。


「え、いらないの?」


『え、、だって、っそれ、かっ、、かんせつっ……』


仁部井さんの言わんとすることがわかってしまった。


仁部井さんは顔中真っ赤で、続く二文字が言えないようだった。

「仁部井さん、もしかして気にしてるの?」


仁部井さんは首まで真っ赤になった。

・→←25 気づかせたい人と忘れたい人



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (71 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
176人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

キノミ(プロフ) - きゅーり。さん» コメントとてもうれしいです。ありがとうございます。こんな作者ですが気長に見てやってください。 (2020年4月12日 1時) (レス) id: 248af3a7ea (このIDを非表示/違反報告)
きゅーり。(プロフ) - 執筆ご苦労様です。いつも楽しく拝見させて頂いております。次のお話がとても楽しみです。これからも更新楽しみにしています。頑張ってください。陰ながら応援しております。 (2020年4月12日 1時) (レス) id: 43974b99c2 (このIDを非表示/違反報告)
キノミ(プロフ) - クロさん» 応援とても嬉しいです。コメントありがとうございます。 (2020年4月12日 0時) (レス) id: 248af3a7ea (このIDを非表示/違反報告)
クロ(プロフ) - 更新お疲れ様です。続きめちゃくちゃ気になります…!応援してます! (2020年4月11日 21時) (レス) id: 1340a6aafd (このIDを非表示/違反報告)
キノミ(プロフ) - わかれどころ。さん» コメントありがとうございます。拙い文章ですが、どうぞお付き合いください。 (2020年4月4日 17時) (レス) id: 248af3a7ea (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:キノミ | 作成日時:2020年3月31日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。