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39話 ページ44

「だれ、ですか?」

「おお?珍しい者が来たな。
政府の者か?今度こそ、あの男を捕まえてくれたのか?」

「だとしたらいいけどねえ」



出会う刀剣達は皆、傷を負っていた。

どうやらあの審神者が言っていたことは本当だったようだ。広間、部屋の数々、馬小屋や庭や台所に居た刀剣男士たちに、岩融が言葉をかけていく。

私が言っても、あまり意味はないからな。



「左様、あの審神者は俺達が倒した。動ける者は表の門へ。そこで、自分達のこれからを決めよ。動けない者が居れば報告を頼む。それを他の者にも伝えてくれぬか」

「……岩融、今ので最後か?」

「おう。粟田口の部屋で最後だ」



どうやらもう本丸を一周していたらしい。

今までとは違って出番がなくなってしまったから、前任のあの審神者の所業を残骸から割り出していた。……血痕がついているから、暴力もあったか。

うわ、一歩先の廊下がない。

本丸の屋根を飛ばすだけならまだしも、本気になりすぎだぞ……

そう呟くと、苦笑いが返ってきた。



「主、俺もそこまでやる気はなかったんだ。
よし、動ける者は皆門へと行ったかな?」

「そうみたいだ。嗚呼、あれだけはどうも見たくないのだが……政府の依頼なら、見届けなければいけないかな?ううむ、気が乗らない」

「それは俺もだ。似たような状況にあった身としてな」



話している間に、もう本丸の門に来ていた。

政府の護送車が審神者を連行していくのを横目に見て、役人の元に並んでいる刀剣男士達に目を移す。彼らにじっと見つめられ、緊張が見える若い役人は、やっと言葉を紡ぎだした。



「審神者を処分いたしましたので、付喪神の皆様にはふたつの道を選んで頂きたいのです。ひとつ目は、他本丸への譲渡。他の本丸へと移って頂き、引き続き人の身をもって戦う。ふたつ目は」

「刀解、か。……おや」



呟いたつもりだったが、聞こえていたらしい。

全員がこちらを振り向いた。

ゆっくりと頷くと、役人は再び口を開いて
続きを話し始めた。



「はい、……刀解です。その場合は、私達の元に来てください。責任もって、刀解させていただきます。では、お選びください」



役人の目は
とても、寂しそうだった。

彼も、口惜しそうに目を伏せる岩融も

分かっているのだ。


この時点で刀解を選ぶ刀が

半分を占めてしまうことを。

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アヅマ(プロフ) - 浅葱さん» コメありがとうございます。そのお言葉がとても嬉しいです・・・!岩融も他の刀たちも格好良くかけるように頑張りたいと思います! (2017年1月8日 18時) (レス) id: 721b990030 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱 - とっても面白いです更新頑張って下さい♪( ´▽`) (2016年12月30日 11時) (レス) id: d80fc865bb (このIDを非表示/違反報告)
アヅマ(プロフ) - マキーさん» コメありがとうございます。岩融かっこいいですよね・・・最近レベル90超えました((続きを待っていてくださって嬉しいです。更新頑張ります! (2016年11月13日 17時) (レス) id: 721b990030 (このIDを非表示/違反報告)
マキー - 面白かったです!岩融いいですよね。更新頑張ってください、続き凄く楽しみにしています!! (2016年11月12日 13時) (レス) id: 2e62f948f5 (このIDを非表示/違反報告)
アヅマ(プロフ) - ☆NATU☆さん» コメありがとうございます。更新停滞気味ですが、頑張ります!応援嬉しいです・・・! (2016年10月2日 21時) (レス) id: bb6b05b55f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アヅマ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2016年8月20日 22時

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