30話 ページ33
「むふふ、どーも。
んで？僕に何か用だよね？」
「とぼけないでくださいな。刀剣男士の手合わせでうっかり壊した塀の修理代一式と、ペンキ塗り料金一式を請求に来たんだよ」
「そうだね。請求書は持ってる？」
彼女の言葉に頷いて、請求書を手渡した。此処の審神者はお金の計算が苦手だ。後ろのほうで江雪左文字がかたかたと電卓を叩いている。
……やはり凄いな、此処の本丸は。
審神者部屋も完全に改造されていて、正面にあるのは立派な机。すぐ傍の棚には様々な種類のカメラが大量に仕舞われている事を私は知っている。その後ろには探偵社社員と書いた木札に、江雪やら長谷部やら刀剣男士の名が刻まれていた。座っている茶色のソファはふっかふかだ。
岩融が物珍しそうに
きょろきょろと辺りを見渡していた。
「……はいはい、じゃあお支払いしまーす。
あ、きみからの依頼の遂行代は予め抜いておいたよ」
「そりゃどうも、いつもどおり早い」
「いえいえー。じゃあ早速、お語りしましょっか？僕達のあげた成果について、すらすらと。ちょっとだけ資料もあるからね。あ、江雪さんちょっとアレ持ってきてくれないかな！」
「アレ、とはなんですか」
「えっと、元ブラック関係で最近調べたこと」
江雪左文字の持ってきた資料をちらりと一瞥し
彼女の顔を見つめた。
岩融が居てもいいの？という目で訴えてくる彼女にいいんだよと念を押す。ひとりでも本丸整備は出来る。なのにわざわざ岩融を連れてきたのは、今日のこの話を彼に聞かせるためだ。
「前、連絡した通りだ。
頼まれ屋さんの岩融の出自が判明した」
ひゅっと岩融が息を吸う音が聞こえた。
彼は最近、自分が元々何処へ居たのかも分からなくなっている。相変わらず電話は嫌っているけれど。どうも記憶が薄れていっているようなのだ。
そんな彼にとって、今の言葉は意味不明なもの。
私はなんとなくそれが分かる。
「頼まれ屋さんが予想していた通りだ。……岩融。きみは、元々別の審神者の刀だった。証拠は押さえたから断言できる。きみは」
ブラック本丸、出身だ。
音一つしない静まり返った空間で
私は岩融が、目を見開くのを見た。
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アヅマ(プロフ) - 浅葱さん» コメありがとうございます。そのお言葉がとても嬉しいです・・・！岩融も他の刀たちも格好良くかけるように頑張りたいと思います！ (2017年1月8日 18時) (
レス) id: 721b990030 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱 - とっても面白いです更新頑張って下さい♪( ´▽｀) (2016年12月30日 11時) (レス) id: d80fc865bb (このIDを非表示/違反報告)
アヅマ(プロフ) - マキーさん» コメありがとうございます。岩融かっこいいですよね・・・最近レベル90超えました((続きを待っていてくださって嬉しいです。更新頑張ります！ (2016年11月13日 17時) (レス) id: 721b990030 (このIDを非表示/違反報告)
マキー - 面白かったです!岩融いいですよね。更新頑張ってください、続き凄く楽しみにしています!! (2016年11月12日 13時) (レス) id: 2e62f948f5 (このIDを非表示/違反報告)
アヅマ(プロフ) - ☆NATU☆さん» コメありがとうございます。更新停滞気味ですが、頑張ります！応援嬉しいです・・・！ (2016年10月2日 21時) (レス) id: bb6b05b55f (このIDを非表示/違反報告)
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