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「他に痛いところや異常を感じるところはありませんか？」
「大丈夫です。ありがとうございます、音羽先生」
TO1の後部座席に座るA先生は小柄な体を更に小さくして恐縮しきりだ。彼女に非は無いないというのに。
厚労省で受け取った出動を知らせるメッセージに駆け付けた車の多重事故の現場。
なるだけ早くMERの面々と合流し情報共有をしたいとTO1の程近くからくぐった規制線。
そこでまず聞こえたのは怒りと苛立ちを含んだ男性の声とそれに相反するひんやりとした冷ややかな女性の声。
負傷者同士の揉め事かと目をやると、目に入ったのは負傷者ではなく、MERのユニフォームを着てはいるが見慣れない男とA先生が患者を前に不穏な空気で言い合っている光景だった。
その傍らではミンさんがオロオロと右往左往している。
「音羽先生！お疲れ様っス！」
「徳丸くん、状況は？」
ちょうどTO1から出て来た徳丸くんに状況説明を受けた後「楓先生といるあの男性は？」と指し示しながら問えば、徳丸くんの表情が目に見えて渋くなる。
「あー、ヘルプで入ってる臼田先生っス」
「あぁ」
「何？絢野と揉めてるんですか？」
「そのようですね」
遅々として進んでいない処置に止めなければと足を踏み出そうとしたと同時に、「お前如きが俺に指図するな！ヘラヘラ笑いやがって！」と男が一層激しく怒鳴ったかと思えばあろう事かA先生を突き飛ばした。
押した、ではなく文字通り力任せに突き飛ばされた小柄な体躯が飛ばされるように、事故車の破片がまだ多く転がるアスファルトの上に転がった。
「なっ！」
声をあげたのは自分だったか、徳丸くんだったか、それとも2人共だったか。しかし、そんな事はどうでも良くて、駆け出したのは同時だった。
示し合わせたように俺は男へ、徳丸くんはA先生の方へ向かう。
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ちょん - 初めまして！お正月の再放送を見てまたMER熱が出たので、この作品を読ませてもらいました！もうこれ以上は更新しないですか？物語がとても好みで 続きがとても気になります！もし更新する予定があるのでしたら楽しみに待っています！！ (2023年1月7日 23時) (
レス) id: dfa1076d93 (このIDを非表示/違反報告)
ウサダ(プロフ) - かなさん» ありがとうございます。楽しんでいただけるように頑張ります！ (2021年9月15日 22時) (レス) id: cb9932fe74 (このIDを非表示/違反報告)
かな - 徳丸君のお話し嬉しいです！楽しみにしてます！ (2021年9月15日 0時) (レス) id: f82f95efd0 (このIDを非表示/違反報告)
ウサダ(プロフ) - 那由多さん» とんでもないです！偉そうにと思われたら申し訳ないのですが、しっかり読んでくださってるんだなと感謝しかありません。ありがとうございます。 (2021年9月13日 23時) (レス) id: cb9932fe74 (このIDを非表示/違反報告)
那由多(プロフ) - ウサダさん» そうなんですね！読み取れなくてすみません…。 (2021年9月13日 21時) (レス) id: 2b76165659 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ウサダ | 作成日時：2021年9月8日 11時
