人柱さんは不老不死！（練習） (ページ5)

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参の詩ページ5

亜依の悲鳴を聞いて柱がやってきた

「亜依さん！どうしましたか！？」

しのぶが魔衣に止血処置をしながら亜依に事の経緯を尋ねる

「ヒック…あのねぇ…私ぃ綾瀬さんに挨拶されたのに気づかなくてぇ…無視しちゃってぇ…謝ろうとしたんですけどぉ…綾瀬さんがぁ何調子こいてんの？生意気ってぇ…」

「ん？(言ってなくない？)」

「それでぇ…私の刀でぇ…私を刺そうとしてきてぇ…グスッ…魔衣がぁ…魔衣が私を庇ってぇ…うう…」

「おいおい…何してんだよ綾瀬ェ…」

「どうしちゃったの？悔名はそんなことしないよね？何かあったの？」

「？？？？何もしてませんよ？」

「(言い分が)違う(どっちが正しいのか)分からない」

「今回ばかりは冨岡に同感だ。この状態ではどっちが嘘を吐いているかなんて分からない」

「そうね…魔衣ちゃんは？魔衣ちゃんならどっちが本当の事を言ってるのか分かるんじゃない？」

場の視線が一気に魔衣に集まる

「私は…」

真実を語ろうと魔衣は口を開いたが

「っ！…」

すぐに噤んでしまった

柱が不思議がる

悔名はその理由が分かった

柱は位置的に見えなかったのだろうが

亜依が魔衣を睨みつけて圧をかけていた

悔名はその光景に見覚えがある

一年ほど前

任務の帰りに鬼から助けた二人の少女に二人は似ていた

確か一人の少女がもう一人の少女を盾にしようとしていなかったか

その時も盾にされた少女は睨まれていなかったか

だがそんなことはどうでもいい

「いや。いいよ。もう日が暮れます、皆明日も任務でしょう。」

「南無…しかし…」

「鬼狩り同士のいざこざの解決と任務で助ける命とどっちが大事なんですか？」

「私は別に気にしないので。ほっといてください。」

悔名が林から出た時

既に空は薄いオレンジから美しい茜色に変わっていた

空を見上げた悔名は徐に懐から小刀を取り出して自らの腕を切り落とした