御狐さん肆拾弐 雪ノ神 ページ7
アマテラスがAの屋敷を訪れた翌日
鬼殺隊の活動範囲
鬼殺隊本部のある関東地方を
激しい雪が吹き荒れた
七月
雪など降るはずがない
だが日本に暮らす人々は
家屋を潰し
池を凍らせ
海すら凍てつかせる
そんな大雪を否定することは出来なかった
天変地異と呼ぶに相応しいそれは
甚大な被害をもたらした
しかし
不思議なことに死者は出なかった
まるで傷ついて力を制御出来なくなった神の精一杯の加護の様に
人を愛する狐神の決死の抵抗の様に―――
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高天原 雪神の屋敷
広い広い屋敷の一室の中央の敷布団に横たわる少女を中心に部屋は凍っていた
高い天井からは大きな氷柱が垂れている
床の畳は氷に覆われている
暗い部屋の隅に蝋燭が虚しく灯っている
Aは昨日まで何事もなく雑務をこなしていた
しかし遂に限界を迎えた
依り代を失った状態で気候を制御するのは自サツ行為だったのだ
精神状態の不安定な雪の神
中途半端に戻った感情
全てがAを不利にしていた
瞳に溜まった涙さえも零れると同時に凍りつく
「悲しいなぁ・・・」
「何が悲しいんだろう…」
「何か間違っていた…?」
「人とかかわったのが駄目だった…?」
「私が妖だから?人じゃなかったから…?」
「人でもないくせに仲良くしようとしたから…?」
岩の様に固くなった布団で上半身を起こして自分を責める
「やっぱり私は中途半端」
「ろくに妖術だって使えないのに」
「もう嫌だ…」
震える口からこぼれた本音は誰にも届かず消えていった
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「天照様!大変にございます!A様が!」
「小雪か、分かっておる。この大雪を見れば一目瞭然じゃ。」
「小雪。お主に命ずる」
「狐に狸。人に見えぬ妖どもをまとめて依り代を探せ!何か手掛かりがあれば儂かツクヨミかイザナギに報告しろ!」
アマテラスは焦っていた
このまま力の暴走が続けば他の神々も人間を護り切れない
早々に依り代を見つけ天界へ戻らねば――…
御狐さん肆拾参 ツクヨミとイザナミ→←御狐さん肆拾壱 欠片(しのぶside多め、最初はアマテラスside)
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キノコズ(プロフ) - Sayaさん» 何という奇跡…!同名で読んでみるのも面白いかもですね! (2021年7月24日 13時) (レス) id: 35a7a6037b (このIDを非表示/違反報告)
Saya - 私、(名前)って所に、「沙耶」ってセットしてるんですよ。そしたら、沙耶が二人いる...(笑) (2021年7月20日 1時) (レス) id: 0baa0f9de6 (このIDを非表示/違反報告)
キノコズ/創作・研究同好会(プロフ) - ちゃんぽんさん» 有難うございます! (2020年10月11日 13時) (レス) id: 35a7a6037b (このIDを非表示/違反報告)
ちゃんぽん(プロフ) - このお話大好きです!!いつも楽しみにしてます〜♪ (2020年10月11日 12時) (レス) id: a0fd83f549 (このIDを非表示/違反報告)
キノコズ/創作・研究同好会(プロフ) - printemps(プランタン)さん» 不幸です…(´;ω;`) (2020年10月11日 10時) (レス) id: 35a7a6037b (このIDを非表示/違反報告)
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