チョー偉いお稲荷さん、柱やってたら悪女に出会う弐 (ページ48)

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御狐さん漆拾陸　人身御供とお社（※グロ注意）ページ48

「…何を躊躇してるんだ！鬼が現れたのはきっと雪神様がお怒りになられたからに決まっている！」

「その者達は雪神様と仲が良かったのだろう？友人だったのだろう？であればさっさと捧げるべきだ！」

突き出された子供達を見て何かを躊躇するような仕草した数人の男衆に対して口々に村人は叫ぶ。

血走った目に乱れた髪。叫ぶ度唾が散って自然がおかされる。

目を閉じて俯いていた男衆は、汗と涙を垂らして刀を振るう。

童達の首が飛ぶ。

一瞬の沈黙の後、一人の女性が泣き出した。

それを引き金に、次々と木槌を手に持った人々がお社に押し掛ける。

木々に囲まれてひっそりと建っていた社はみるまにただの木片と化し、中にしまわれていた狐の面にひびが入る。

このまま壊れてしまうのではないかと思われた面は、何かに引かれたかのようにパサッと草むらに落ちる。

Aは伸ばしかけた腕をそのままに、呆然としている。

ー『獣神、戻りなさい』ー

鈴のような声が聞こえた後、Aの姿は消えて見えなくなる。

柱達の視界はまた歪み、景色が切り替わった。

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そこは神々の裁判所、ルールを犯したAを裁くためにおよそ百年ぶりに開かれた。

「コンニチハー！ディケーデス！」

和装の神々に紛れた洋装の女神は明るく高らかに笑った。テミスはギリシアの正義の神である。ときたま日本に遊びに来てはゼウス達へのお土産として巾着や袴を買って遊んでいた。

今回、偶然日本に居たため正義の神として裁判に参加いている。

「ニホンゴハアマリデキマセンケド、コウヘイナサイバンヲココヲガケマス」

一礼したディケー。拍手が巻き起こる。

「それでは、開廷いたします」

一人の神が厳かに告げた。