御狐さん漆拾肆 時は流れて ページ46
数年経って、Aの扱いは酷いものになっていた。
雪神はよくAを庇ってくれる。けれど、どれだけ咎められようと夕夏の嘘に踊らされる神々は雪神の話を信じようとはしなかった。
そんなある日、Aは『あの』村から邪悪な気を感じる。同じく天候管理を担う神も気づいたようだが、人の村に害があれど気にする様子はなかった。ただ、Aはそれが出来なかった。いつの間にか壊れていた皐月からの花氷。
ヘロヘロに衰弱した自分に食べ物と友情を与えてくれた純粋無垢な子供たちの姿が浮かび、気が付いた時には天界から下って村に走っていた。
深夜、ようやく村に着いた時村は紅く燃えていた。泣き叫ぶ声に呼応してAは近くの家から鎮火していく。
その時、ふっと長い銀髪が見えた。
両手を紅く染めた長い銀髪の少女(?)。危険を感じたAは宙返りして人型になると、躊躇しながらも氷刀片手に近づく。
「!?」
気配に気づいた少女(?)は振り向くと顔を歪めて笑顔を作る。
『君は…?私は此処の村を守護する者。お願い。村の人に危害を加えるなら、ここを立ち去って。』
興奮しているのか体を震わせた少女(?)は飛び掛かる。
Aは目をつむると、意を決したように開く。
その一瞬で少女(?)は脚が凍り付く。足を踏み出しAが斬りつける。暗夜に紛れて紅い液が散る。
驚いたような悲しい顔をした少女(?)は、氷を破壊して飛び退く。
『お願いだから帰って。』
Aは少女(?)が人間ではないことが分かっている様で、腕や脚を斬りつける。
少女(?)は飛び退き防御しながらも反撃し、Aは少しずつだが傷を負ってしまう。
何時の間にか周囲の火は消えていた。
夜が明けるまであとどれだけかかるのか。
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キノコズ(プロフ) - Sayaさん» 何という奇跡…!同名で読んでみるのも面白いかもですね! (2021年7月24日 13時) (レス) id: 35a7a6037b (このIDを非表示/違反報告)
Saya - 私、(名前)って所に、「沙耶」ってセットしてるんですよ。そしたら、沙耶が二人いる...(笑) (2021年7月20日 1時) (レス) id: 0baa0f9de6 (このIDを非表示/違反報告)
キノコズ/創作・研究同好会(プロフ) - ちゃんぽんさん» 有難うございます! (2020年10月11日 13時) (レス) id: 35a7a6037b (このIDを非表示/違反報告)
ちゃんぽん(プロフ) - このお話大好きです!!いつも楽しみにしてます〜♪ (2020年10月11日 12時) (レス) id: a0fd83f549 (このIDを非表示/違反報告)
キノコズ/創作・研究同好会(プロフ) - printemps(プランタン)さん» 不幸です…(´;ω;`) (2020年10月11日 10時) (レス) id: 35a7a6037b (このIDを非表示/違反報告)
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