チョー偉いお稲荷さん、柱やってたら悪女に出会う弐 (ページ4)

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御狐さん参拾玖　恋柱ページ4

「アイツと同じ目に遭ってもらう」

そういうや否や秋柱は自らの刀を抜く

「(自分で刺すのか)」

刀が足に刺さりかけるー

と

アマテラスが刀身を掴んで止めた

白い、小さな手に朱色の刃が食い込む

肉が切れて血が出ても相変わらずニヤニヤと笑う光柱

常軌を逸した行動に秋柱が怯む

隙を逃さずアマテラスは刀を横から叩いて粉砕する

１３０㎝前後の小さな体の何処にそんな鬼のような力があるのか

「化け物…」

秋柱の目に映るアマテラスは化け物であった

少しずつ後ずさる秋柱

ゆったりと迫る光柱

「それだけか？」

先程よりもワントーン低い声

威圧

声を発せぬ秋柱

秋柱は途中躓きながらも足早に立ち去って行った

「つまらん」

大方、アワユキは嵌められたのだろう

人を愛するアイツのことだ

自分が消えても困らんように戦力を残しておきたかったのじゃろう

だが

それで自分が追い詰められていては意味がない

「お前は馬鹿な奴じゃ」

アマテラスの小さな小さな呟きは

隠れて見守る者たちには聞こえなかった

「照、終わった？」

木陰がらツクヨミとイザナミが現れる

万が一に備えこっそりつけていたのである

「血が出てんじゃねえか、無茶すんなよ…まったく」

イザナミがどこからか包帯を出す

「いや、すまんな。だがアイツ黒じゃぞ」

「一目瞭然」

「雰囲気からしてそうだよな」

「で、」

「さっきから恋柱はそこで何をしておる」

「…」

出てこんか…

少し手荒じゃが仕方あるまい

ゴォッ！

鋭い殺気、一点に絞られた凄まじい威圧が恋柱を直撃した

直ぐにパタリと転んだ。意識はある

「フム、筋肉を固めて防御したか」

少し感心したぞ

「ええと…ごめんなさい照ちゃん…」

「何がじゃ？」

「沙耶ちゃんに呼びだされてたでしょ？心配で後をつけてきたの…」

シンパイ

「それに照ちゃん、Aちゃんについて知りたがってたじゃない、それで話そうと思って…」

恋柱に悪意はなさそうだ

一応信用出来る

「話を聞こう。恋柱。」

「全て、正直に話すがよい」

一呼吸おいてから

恋柱甘露寺蜜璃はアマテラスに今までのことを話し始めた