チョー偉いお稲荷さん、柱やってたら悪女に出会う弐 (ページ26)

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御狐さん伍拾漆　幻中鬼来（第三者目線）ページ26

＿一週間後＿

今日は

Aが村の子供たちと遊べる最後の日である

『(今日から暫く会えないなぁ…)』

柱の面々は夢幻入りして一週間以上経った為か、体力の消耗もせいか、はたまた自分たちが裏切った相手の昔の姿を見たせいか

殆ど喋るものはいなかった

あの煉獄でさえも今は黙り切っている

「おーい！A－！」

『来た来た～！』

「A～！寂しいよ～…！」

『おうおう私も寂しいぞ～』

「A！俺達からAへ贈り物があるんだ！受け取ってくれ！」

『？』

「私からはこれ！」

皐月と呼ばれていた少女が手渡したのは美しい花束

「これ。僕から」

睦が渡したのは丁寧に磨き上げられた泥団子

「でもってこれが俺からだ！」

光が渡したのはー

Aが鬼殺隊で羽織っていた

淡い青と白の羽織だった

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日が暮れ

紅い夕焼けが照らす野原で駆けまわっていた少年少女は最後にAの周りに集まった

「「「Aちゃん！／A！今まで、遊んでくれてありがとう！クンレン頑張ってね！」」」

「「「これは皆でお金を貯めて作ってもらったんだ」」」

子供達が運んできたのは桐の箱

「暫く離れ離れだけど、俺達はずっと友達だからな！」

「これ私達だと思って、大切にしてね！」

開かれた箱の中には狐の面

しのぶの懐にしまってある面

Aは少し驚いた顔をしたが笑顔で受け取った

『十年後ー！また会おうなー‼』

「勿論！待ってるからねー！」

Aの姿が見えなくなるまで

子供たちはずっと手を振っていた

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少し場面が切り替わる

そこは遠く離れた山の奥

小高い丘のうえには小さな蔵の様なものがたっていた

そこに背の高い男がやってくる

「あれは…」

柱の脳内に針生の声が響く

〈あれが鬼舞辻ー鬼の始祖じゃ〉

鬼舞辻と言う言葉に反応し不死川が駆けた

鬼舞辻に日輪刀が迫る

が

不死川の日輪刀は空を切るように鬼舞辻の体をすり抜ける

なぜなら

「不死川さん。これは幻です」

しのぶが冷静に言う

その通り

これは針生の試練であり夢幻

ここで幾ら相手に傷をつけようと実際の所何も変わらない

鬼舞辻は蔵の扉を壊した

中は座敷牢

そこにいるのは長い銀髪の紫の目をした少年

純玲だ