【夏目友人帳】拝啓、愛してます。 (ページ7)

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　「安心しろ夏目。三番目の可能性の確率はほぼ皆無だと言っても過言ではない。確かに人から妖になった者達の殆どは人だった時の記憶も自我もなかったが、藍からしたら幸福だろう。自分のことが見えるのだからな」

　「そう、だよな」

　でも、そんなことが出来るのだろうか。俺が見てきた人達は、皆……。

　「夏目殿」

　「あ、藍。どうだった？」

　いきなり現れた藍に驚きつつ、先程の話を感じられないように何もなかったように振る舞った。

　「ええ、残念ながら人違いでした。まずこの辺りにある公園というのは、妖しか入れない特別なところで、人間である彼女が入れるわけがありません」

　「そ、そうだったのか。通りで……」

　"通りで見つからないわけだ"

　出かけた言葉を無意識に飲み込む。急に口ごもり始めた俺の顔を心配そうに藍は覗き込んだ。反射的に数歩後退る。

　「え、あ、わ、悪い」

　「いえ、此方こそすみません。気分でも悪いのですか？」

　「そういうことじゃないんだ。大丈夫。気にしないでくれ」

　かなり真面目に心配されると罪悪感が……。

　「そうですか。では次行きましょう。気分が悪くなったらいつでも言ってくださいね。倒れられては困りますから」

　「嗚呼そうだな。行こう！」

　悪い藍。まだ、これは話せないんだ。