【夏目友人帳】拝啓、愛してます。 (ページ4)

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お土産なら…… ページ4

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　なんだかんだ答えは出していないが、俺の脳は手伝う前提で働いているらしい。

　「夏目、夏目」

　アイディアを一つ浮かんでは消し、一つ浮かんでは消しを繰り返しながら唸る俺の肩をちょんちょんとニャンコ先生はつついた。

　「聞いたところによるとこやつ、意外と力を持っているようだ。ここは一つ、こやつの望みを叶えてやり恩を売っておけば今後困ることはないだろう。私の用心棒という仕事も、こいつにまかせておけばいいしな」

　「無責任な……。というかそれは只、ニャンコ先生が楽したいからだろう？」

　「お、おお。そう言っていただけるとは。態々ここまで来たかいがあったというものです。夏目殿がお亡くなりになるまで、というのは難しいお話ですが、彼女が見つかるまでの間だけならば私もお力をお貸しします」

　「夏目殿とまでなると色々と不便でしょう。ここは一つ、この私が」と言いまたこの妖は深々と頭を下げた。動くたびに揺れる金色の髪と面は何だか懐かしいような、そんな不思議な感じがした。
　此奴は俺が恐ろしくないのだろうか。先程の情報の殆どが間違いだったということは既に伝えた。それでも尚こうして俺に頼むということは、その探している人が余程大事なのだろう。なんだか……。
　色んな思いが俺の中を書きまわっている内に俺の口は無責任なことを口走っていた。

　「分かった。俺が出来ることは出来るだけ協力しよう」

　「えっ、本当ですか夏目殿！」

　「夏目貴様正気か？」

　分かり易いぐらいに頬が綻ぶ妖と分かり易いぐらいに無い目を懸命に開けるニャンコ先生。

　「有り難う御座います夏目殿。ではこの″さくさく東京ティラミス″をどうぞ。では、これから毎日此処に通わせて頂きますね」

　「え、毎日！別にニャンコ先生みたいに害がなさそうだし、塔子さん達に迷惑をかけないなら居座ってもいいんだぞ。それにお前の名前とか、人探し云々よりまずはそこからやろう！」

　窓からさっさと出ようとする妖の腕を引っ張って喰いとめる俺を冷たい目で見るニャンコ先生。
　そんな目で見ていないで助けてほしいなニャンコ先生！此奴意外と力があるんだが……。

　「あ、嗚呼、分かりました。では、私のことは″藍(あお)″とでもお呼び下さい」

　「藍？」

　「はい。彼女から頂いたハンカチが藍色でした故」

　それからお互いに色んな話をした。探している人のことは勿論、時折見せる彼女のことを話す藍の顔や彼自身のこと等、意外にも話が進んだ。