彼氏。34 ページ10
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「…………あの、さ」
「那須くん…」
「……浮所には、言わないでおこうと思うんだ。…知らぬが仏って、言うでしょ」
「…………そっか…」
車が見えてきて、ありがとう、そういってお別れをしようとしたとき。
「ねぇ待って。消えたらだめだよ」
まるで。まるで、すべてお見通しだよ、とでもいうみたいに。
「…消えないよ。消えない。6人が…飛貴くんが、大好き。」
ごめんね、那須くん。
私、これからもみんなと繋がりを持ったままでいる勇気なんてないの。
大好きな人たちの笑顔を、夢を、奪いたくないの。
だって、私がひーくんと出会えてたのは、アイドルをしてたからなんだよ?
アイドルは、ファンがいなきゃ成立しない。
ねぇ、ひーくん。飛貴くん。
私はもう、いっぱい幸せをあなたから貰いました。
私は、飛貴くんのこと、幸せにしてあげられてたかな?
ごめんね、何も言わずに。
ごめんね、好きになって。
こんなわがままな私を、許してくれる?
好きになってくれてありがとう。
浮所飛貴くんのことが、大好きです。
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作者名:seasound* | 作成日時:2019年12月25日 11時