アイドル。39 ページ15
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「ちょっ…ママ、」
「ごめんね、私、仕事入ったの。…留守番よろしくね」
…留守番、って…飛貴くんと2人で?
今日に限ってパパも出かけてるし…
「Aちゃん、ごめん!」
あぁどうしよう、1人考えていたら、飛貴くんがそういった。
ごめんって、なんのごめん?
謝らないといけないのは、私だけ。
「…………飛貴くん、出てって?もう、写真、見たんですよね、」
わざと、他人行儀。ねぇ、これ以上そんな顔しないで。
10日間だけでも関係を絶つことが、どれだけ苦しかったか。
せっかく飛貴くんとの思い出に蓋をできるかもしれないって思ったのに。
「俺……あの日、守るって言ったのに。守れなくて。…顔見えてないから信じてない人の方が多いけど…こんなに辛くさせて、ほんとにごめん…」
「ねぇ、もう、いいから…っ、もういい!お願い…好きだから…アイドルの飛貴くんも、プライベートの飛貴くんも、好きだから!私のせいでファンが減ったりするのはっ…嫌なの!」
自分のせいで大好きな人にこんな顔させて、罪悪感持たせて。
それが、悲しくて、そんな自分に腹が立って。
「…………ねぇ、もう、離してよぉ…っ、嫌い、もう好きじゃないからぁ…」
「…じゃあなんで泣いてるの、ごめん、抱え込ませて…俺は、好きだよ、大好きだから」
飛貴くんは、泣きじゃくる私をあやすように、背中をトントンとしながら抱きしめた。
「最後に、一つだけ、いい?」
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作者名:seasound* | 作成日時:2019年12月25日 11時