4-1.猫かぶり ページ27
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ミーンミーンと蝉の鳴く声が大きくなってきた頃……、
『全然やる気でないんだが』
「今回は一週間あるんやろ?!うち死ぬかもしれん、」
「いや、このくらいで死んでたら人間絶滅してるよ」
「そういう事とちゃうんよ…」
もう既にやる気を失っている二人と、諦めたように遠くを見つめているちーちゃん。
当の私はと言うと、少しだけ心躍らせながらもやっぱり帰りたいと言う気持ちに負けそうになっていた。
『はぁー………』
「Aさーん!!」
『ビッ……、⁈』
「あ、噂のリベロくんやん」
「西谷くんだよね」
「ぅす!」
『お久しぶりだね。』
「会いたかったです!」
『ゔ………、やっぱりそういうの良くないよ?!』
あの日の電話以降、西谷くんとは頻繁に連絡を取り合っていたため、こういうことを言われるのにも少しは慣れたと思っていたがやっぱり直接言われると照れるもので、私はまんまと顔を真っ赤にした。
「あれ〜、?A顔真っ赤だよ〜?」
『ねぇやめて?!西谷くんも!また後で!』
「あ、はい!また後で!」
無理やり話を切った感は満載であるが、とりあえず話を終わらせた私はもう体育館にいるであろう人物にあおうと思い立ち小走りで校舎へ入った。
『あ、いた〜日向くん!久しぶり〜』
「Aさん!お久しぶりです!……顔赤いですね!大丈夫ですか?」
『日向くんまでそれ言うか?!』
「えぇ、なんかすいません?!」
やっぱり既に中でボールを持ってソワソワしていた日向くんに話しかけてみると、太陽みたいな笑顔が帰ってきた。
ついでに、顔が赤いのをいじられた。
『……ところで、練習はうまく行ってる?』
「あ、はい!烏養監督のお陰で…」
『おじいちゃん怖いでしょ〜?私も昔滅茶滅茶怒られてた〜』
「ハッ…まさかAさんも投げ飛ばされて……?!」
『え、日向くんまさか投げられたの?!ちょ、それ訴えれるやつだよ』
「えぇ?!いえ!俺じゃなくてコーチが…」
『あぁ、繋心兄か…良かった〜。因みに、私は投げられたことないよ。』
おじいちゃんが投げるのはー…なんだっけ?根性なしだけ…だったかな、
私が投げられていたいと聞いて何故か少しだけホッとしたような表情を浮かべている日向くんは、笑ってこそいるが少し寂しそうな、それでいてどこか未来への期待を含んだ目をしていた。
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まお - めちゃめちゃ面白いです..!更新お待ちしております!! (2022年6月11日 18時) (レス) @page17 id: 160b3a4401 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - 読みやすくて面白いです(о´∀`о)更新楽しみに待ってます☺️ (2022年6月8日 14時) (レス) id: d0dd043faf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:萌チャン x他1人 | 作成日時:2022年6月6日 2時