7 ページ26
·
お姉ちゃんから…というか、家から少し離れた所にある階段の段差に座って電話が切れたスマホの画面を眺めること5分程
やっと決心の付いた私は、"西谷くん"と設定されたトーク画面から、通話を押した。
私が折り返すのを待っていたのか、もう一度かけてみようか迷っていたのか、
真意は不明だが確実に携帯を持ったままだったのであろう西谷くんは呼び出し音がワンコールかかる前に電話に出た。
「Aさん!」
『……えと、ごめんね。外出ようとしたら途中で切れちゃって』
「あ、そうだったんですね!」
『えっと、なにか用事…、?』
「え、ぁ…いや!特に、用事はないんですけど、」
『あれ、そっ…か?』
てっきり何か用事がある物だと思っていた私は、拍子抜けると共に、用事が無いのに平日の夜という時間に態々私に電話をかけてくれる西谷くんが、ほんの少しだけ愛おしいと思った。
「あの、翔陽と…何かあったんですか?」
『………翔陽?えっとごめん、翔陽って誰?』
「あー、うちの日向っす」
『日向くん、?何か…は特になかったと思うけど』
「ホントですか?!」
『え、うん。』
「…じゃあ………」
何故突然日向くんの話になったのかは分からなかったが、とりあえず彼の質問に答えると、西谷くんは、はぁー。と安心したように息を吐くと、ボソボソと声を細めて何かを呟いた。
機械音混じりなのもあってかうまく聞き取れなかったけれど、彼がひどく嬉しそうに、良かった。と言った声だけが、耳に強くこびりついた。
447人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まお - めちゃめちゃ面白いです..!更新お待ちしております!! (2022年6月11日 18時) (レス) @page17 id: 160b3a4401 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - 読みやすくて面白いです(о´∀`о)更新楽しみに待ってます☺️ (2022年6月8日 14時) (レス) id: d0dd043faf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:萌チャン x他1人 | 作成日時:2022年6月6日 2時