私、給仕担当になりました【すとぷり】

百三粒 ページ16

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震える声で、彼の言葉は続く。







なんでもりさんなの？




俺じゃダメなの？








まるで子供のように縋り付く彼にどう答えていいのかが分からなかった。


1番大人だと思っていた彼の姿に驚きを隠せないでいる。








「さとみさん…」








名前を呼ぶも、それに応えてくれることもない。









そして極めつけの一言。








「なんで、俺に近づいたの？」









消え入りそうな声でそう放たれた瞬間、また彼は息を吹き返したように続けた。









「…わかってるんだよ、俺だって。








あの人が凄いことくらいわかってる。


そして誰より頑張ってることもわかってる。









…でも俺だって頑張ってるんだよ。



辛いことも同じだけあるしその分頑張ってて。








俺だって辛いよ。





辛い時あるよ。





助けてよ。






俺、変わったのに。




何も出来なかった頃の俺とは変わったんだよ。





すとぷりが今の居場所で。


必要としてくれて。





大好きだから頑張ってるのは変わらなくて。








ほんとに、皆、俺の事凄いって、色んな角度から考えられてるって、褒めてくれるけど。






でもそれは弱いからで。






弱いから身を守るために色んな対策練ってて。





だから、だから。







俺だって弱いとこあるのはもりさんと変わらなくって。







お願いだから…助けてよ」









私の肩に顔を填める彼にそっと触れた。






そうか、そうか。







わからなかった。








この人がこんなことを思ってくれていて、こんな風になるまで我慢していただなんて。







彼に一つ一つ応えよう。






まず私は1つ目の質問に答えることにした。








「…私、嬉しかったんですよ」







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