百十一粒 ページ24
.
「はー、じゃあまた来るねー。
詳細はLINEで教えるから」
「じゃ、俺も帰るな」
「ん、僕も帰るわ」
あの後皆さんでお話したあと続々と皆さんが帰る準備を始めた。
「はいはい、じゃあ忘れ物が無いように気をつけてくださいね」
そうやって周りを私も確認する。
主にもりさんの荷物だけど。
「あれ、これもりさんの携帯じゃないですか?」
そしてやっぱり見つかった。
彼の忘れ物未遂。
「あー、ごめんごめん忘れてた」
なんだか久しぶりのやり取りに再び頬が緩む。
「じゃあ、気をつけてくださいね」
そう言って外までお見送りをする。
もりさんとさとみさんは階段を降りていく。
そしてころんくんも隣の部屋に返って行く。
…お隣か。
そう思ってぼーっと彼の後ろ姿を眺める。
不思議だ。
この前まであんなに遠かった存在なのに。
どんどん運命が変わっていく。
多分いい方向に。
そんなことを思っていたとき、彼がふと振り向いた。
「…今日はご馳走様、これからよろしくね」
そんな言葉がふわふわと私の中に舞い降りた。
なんだろう、改めてお礼を言うあたりが彼らしい。
ふとした所で礼儀正しさとか育ちの良さがわかる。
親の愛情を沢山注がれて育ったんだなぁと感じるのだ。
「いえいえ…!こちらこそよろしくお願いします!」
それに私も慌ててぺこりと頭を下げた。
…でも、ちょっと気になっていたことがやっぱりあった。
「あの、ころんくん。
ひとつ聞きたいことがあるんです」
「なに?」
部屋に入りかけてた彼がこちらを見る。
「あの、その、本当にもりさん達がうちに来ていることを知らなかったんですか?」
別に、これは煽っているわけではない。
ただ、隣だから、
彼にバレていてもおかしくは無かった。
もりさんなんて1回彼の家で私が帰ってくるまてま待っていたのだ。
気を使われたのかもしれない。
そう思ったから。
少しの沈黙の後、彼はこう言った。
「…知ってたよ」
.
1220人がお気に入り
「すとぷり」関連の作品
A lifetime of happiness with you【ぷりっつ】【AMPTAK】
The end of regret 【青/黄】
毎日がエブリデイ☆【utit】
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆぅる - しゅうくさんは読者をキュンキュンさせる天才ですか?? (2021年12月6日 22時) (レス) @page11 id: b4dee99bf3 (このIDを非表示/違反報告)
しゅうく(プロフ) - ゆあもんさん» ゆあもんさん…!!神ではないですよ!?でも頑張りますね!ありがとうございます!! (2020年5月17日 11時) (レス) id: 547af1fa67 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあもん - しゅうくさん神ですか?私毎回読ませていただいてます!もうねこの作品は神です!これからも応援するので頑張ってください! (2020年5月9日 12時) (レス) id: 9253ce94df (このIDを非表示/違反報告)
シキ(プロフ) - しゅうくさん» 全然です!!ご自分のペースで更新されてください!いつまでも待ってます! (2020年4月20日 14時) (レス) id: 3de2eab1b1 (このIDを非表示/違反報告)
あやの♪(プロフ) - しゅうくさん» 応援してます!(^^) (2020年4月19日 22時) (レス) id: 5ba2df906e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:しゅうく | 作成日時:2020年3月17日 23時