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炬燵と云う名の悪魔 ページ3

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「炬燵……ですか?」

「ああ。実は太宰が貰ってきたらしくてな……寮にも入り切らん」

「何処に置くんです?」

「それが問題なのだ」



そう云って国木田さんは、眼鏡を押し上げた。


ふむ……炬燵と云えば冬の風物詩。確かに朝夕は冷える秋だが、炬燵要るか?

炬燵なんて出した日には、太宰さんがもっと駄目になる事請け合いだろう。
賢治君も昼餉を食べた後に炬燵で寝てしまうかも知れないし。



「なら、社長室に置き、国木田さんが仕事をしていたと認めた人だけ、休憩中の使用を許可する……というのは」

「いい案だが、それなら俺は太宰を入れん。一生な」

「それがいいと思います」



頷き合った俺達は、太宰さんの寮から炬燵を運び出す事になった。









「んじゃ、行きますよ。スイッチオン!」



コンセントを繋ぎ、電源を入れる。
暫くは冷たいままなので、その間に仕事を片付けよう。



「おおっ暖かい!」

「早ッ!?」



幾ら何でも疾過ぎないか。
いやでも、大きいサイズの炬燵なので、仮令仕事を終わらせてからでも入れる筈だ。


と云うか……



「なんであんたが入ってるんですか」

「え? 先ずは試運転をと思ってだねえ」

「いやそれはもう社長に頼みました」

「なんで」

「なんでも」



太宰さんの向かいでは社長が炬燵に入って、読書している。

社長の仕事は要人の応接だったり、重要会議だったりの時だけなのだ。



「国木田さーん、太宰さんが炬燵入ってるんですけどー」

「ああ。知っている」

「国木田さん!?」



見れば国木田さんまでもが、炬燵に寝転んでいた。
待て。嘘だろ? 嘘ですよね? 夢?

理想の権化と呼ばれる国木田さんが、仕事を放ってだらけるなど……。



「帰ってきて下さい国木田さん!! 俺……って敦君!?」

「あ、カフカさん。お先にお邪魔してます」

「なんで!? ああっ賢治君、炬燵で寝たら風邪引くよ!? ほら毛布!」



社長、太宰さん、国木田さん、賢治君、敦君。
全員炬燵で温まっている。

それどころか、与謝野女医や谷崎兄妹、鏡花さん、乱歩さんも暖を取っているじゃないか。



「カフカ君も入りなよ〜、温まるよう」

「お前は働きすぎだ。少しは休め」

「ありがたいのか判らない!!」



足首を掴まれた。



「誰ですか今足掴んだの!?」

「私。先刻から寒そうだったからねえ」

「〜〜〜ッもう!! 五分入ったら仕事しますよ!!」



一日潰れました。

平和すぎる、何か起こりそう→←何なんだろうね



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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 文スト , 男主   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:きのこ派 x他1人 | 作成日時:2016年10月12日 17時

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