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「いや、べつに疑ってるわけじゃ」
「ほんまに？」
「うん」
「ほんまにわかってる？」
「わかってる、と思う、けど……」
もう一度伸ばされた手は、頬から首筋、鎖骨へと下りてくる。
そこで手は止まって、またじっと私の顔を見てる。
「わかってへんよ、Aは」
「……何を？」
なんか、話変わってきてない？
回らない頭で、必死に考える。
「俺がどんだけAのこと好きか、知らんやろ」
……なに、それ。
今そんな話してなかったじゃない。
一緒に飲むお酒がおいしいって、賢志郎的にそういう意味なの？
月が綺麗ですね、みたいなこと？
考えても、真意なんてわからない。
混乱してる私をよそに、賢志郎は気まずそうに視線を落としてる。
その表情が、何とも言えず可愛くて。
賢志郎の首に手を回して、今日初めてキスをした。
「……知らないから、ちゃんと教えて」
唇を離して、至近距離でそう言えば。
「我慢してたのに、なんでそういうことするん？」
可愛くない台詞が返ってくる。
「なんで我慢してたの？」
「……止められなくなるやん」
何なの、もう。
いちいち可愛いこと言わないで。
いつもはそんなことお構いなしのくせして。
「いいよ、止まらなくて」
「……言うたな？」
「そのかわり、全部教えてね？」
「重すぎて、A潰れるかもしらんで」
「大丈夫。……絶対私の方が好きだから」
「それ、酔うてないときもっかい言うてな」
「……忘れてなかったらね」
その言葉に、賢志郎はにやりと笑って。
眼鏡を外すが早いか、貪るようなキスをくれた。
たまには、お酒の力を借りてでも。
また明日から始まる、忙しい日常を一旦忘れて。
お互いに溺れる夜があっても、いいよね？
そんなことを考えながら、回した腕に力を込めた。
fin.
ーーーー
rinsuzuさんからリクエスト頂きました、
「家飲みして甘い雰囲気になる二人」でした。
賢志郎さんはやけに素直だし、
彼女はそんな賢志郎さんを愛でてます。
いかがでしたでしょうか？
ご期待に添えていたら幸いです。
リクエストありがとうございました！
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理架(プロフ) - 美里さん» ありがとうございます(^-^) あの2人についてはとにかく学生らしさを詰め込ませてもらってます(笑) 予定は未定ですがまた機会があればチャレンジしたいですね〜。ほっこりできるお話も書いていきますので、またよろしくお願いします！ (2020年11月21日 7時) (
レス) id: c81664a4ee (このIDを非表示/違反報告)
美里 - 一番は勿論リクで描いて頂いた作品です。ホントに好きですー。あの二人の恋路を応援したい気持ち(笑)少しずつ距離が近づいていく感じが、理架さん凄い！って思います。良かったらまた描いて下さいっ(スルーしてもいいです笑)私は多分ほっこり系が好きなんだと思います。 (2020年11月20日 17時) (レス) id: acf62d2dcf (このIDを非表示/違反報告)
理架(プロフ) - メイさん» ありがとうございます！人恋しい季節になってきますし、より一層キュンをお届けできるようにがんばります！そしてヤキモチな川西さん、最近書いてなかったですね。続編に移行したら書いてみたいと思います(^-^) (2020年11月20日 10時) (レス) id: c81664a4ee (このIDを非表示/違反報告)
メイ(プロフ) - 今回もステキなお話でした。毎回まるで自分がこのお話の主人公なのではないかと思う位に引き込まれキュンとします！これからもお話楽しみにしています！やはり推しの川西さんのお話で、ヤキモチ妬く川西さんとか読んでみたいです。 (2020年11月20日 0時) (レス) id: 24f8e2afc7 (このIDを非表示/違反報告)
理架(プロフ) - 美里さん» ありがとうございますー！穏やかな濱家さん書きやすくて楽しいです。共通テーマシリーズはもう何回かやりたいと思ってるのでまたよろしくお願いします(^-^) (2020年11月4日 8時) (レス) id: c81664a4ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：理架 | 作成日時：2020年9月17日 22時
