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「んん、っ、や、いきなり、、」

「……痛い?」

 一応確認すると、小さく首を横に振る。

 やっぱり。

 腰をぐっと支え直して、挿れる指を増やした。

「あっ、ん、ああっ、や、もう、、」

「もう? 早ない?」

「だ、って、、っ、んん、」

 悩ましげな声と熱い吐息が俺の耳にかかる。

 震える脚と、中の締め付けのきつさでそんなに持たんことは、わかってる。

 ほんまにギリギリで指の動きを止めて、息をついた瞬間にまた動かす。

「もう、、、なんで、っ、」

「何が?」

「おねがい、、やめないで、」

 縋るような、泣きそうな顔で俺を見る。

「……ほな、一回だけな?」

 優しく言った瞬間に、指の動きを速める。

「あっ、んん、っ、、、ああっ」
 
 一際高い声で、Aは果てた。

 中の痙攣がおさまるのを待って、指を引き抜く。

 指どころか手首までベタベタになった手で、肩を掴んで押し倒した。

「賢志郎も、脱いで」

 荒い息を吐きながらそう言われて、自分が何一つ脱いでないことを思い出す。

 いっぺん立ち上がって雑に服を脱ぎ捨てて、ベッドサイドに手を伸ばした。

 鈍い銀色の正方形が繋がったパッケージの残りを確認する。

「……あかん、あと3つやん」

「待って、足りないってこと?」

「少なくとも一発じゃ終われへんなあ、今日は」

「もう、ほんとに、着るんじゃなかった……」

 ため息をつきながらそんなこと言って、それでも笑った。
 
 
 
 
 
 

 やっぱり、どこも隠してないAが、俺は一番好きやねん。

 だから、もっともっと愛させて。

 そんな自分勝手な思いを込めたキスにも、Aはすぐに応えてくれて。

 溶けそうに甘い夜が、始まる。
 
 
 
 

fin.
 
 
 
 
 

*First kiss / Y.Kawai→←_



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理架(プロフ) - 美里さん» ありがとうございます(^-^) あの2人についてはとにかく学生らしさを詰め込ませてもらってます(笑) 予定は未定ですがまた機会があればチャレンジしたいですね〜。ほっこりできるお話も書いていきますので、またよろしくお願いします! (2020年11月21日 7時) (レス) id: c81664a4ee (このIDを非表示/違反報告)
美里 - 一番は勿論リクで描いて頂いた作品です。ホントに好きですー。あの二人の恋路を応援したい気持ち(笑)少しずつ距離が近づいていく感じが、理架さん凄い!って思います。良かったらまた描いて下さいっ(スルーしてもいいです笑)私は多分ほっこり系が好きなんだと思います。 (2020年11月20日 17時) (レス) id: acf62d2dcf (このIDを非表示/違反報告)
理架(プロフ) - メイさん» ありがとうございます!人恋しい季節になってきますし、より一層キュンをお届けできるようにがんばります!そしてヤキモチな川西さん、最近書いてなかったですね。続編に移行したら書いてみたいと思います(^-^) (2020年11月20日 10時) (レス) id: c81664a4ee (このIDを非表示/違反報告)
メイ(プロフ) - 今回もステキなお話でした。毎回まるで自分がこのお話の主人公なのではないかと思う位に引き込まれキュンとします!これからもお話楽しみにしています!やはり推しの川西さんのお話で、ヤキモチ妬く川西さんとか読んでみたいです。 (2020年11月20日 0時) (レス) id: 24f8e2afc7 (このIDを非表示/違反報告)
理架(プロフ) - 美里さん» ありがとうございますー!穏やかな濱家さん書きやすくて楽しいです。共通テーマシリーズはもう何回かやりたいと思ってるのでまたよろしくお願いします(^-^) (2020年11月4日 8時) (レス) id: c81664a4ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:理架 | 作成日時:2020年9月17日 22時

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