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廉が帰ってからも、私はずっと起き上がれないままだった。
熱は下がり始めていたけど、魂を抜かれたように全身に力が入らない。
ぼんやりと思い出されるのは、少し前の私の誕生日。
珍しく一緒に夕飯を食べられると言う紫耀。
張り切って準備した夕食に紫耀は顔をくしゃくしゃにして喜んで、あっという間に全て残さず平らげてくれた。
そして食後になぜかモソモソと正座に座り直した紫耀が、はにかみながら1枚の紙を差し出して来た。
［辞令 営業戦略推進チーム 平野紫耀
ニューヨーク本社への出向を命じる。］
『えっ…………紫耀………ニューヨーク行くの？』
紫「…そぉ！！
ずっと足りなかったTOEICの点数、やぁぁっと超えたんよ！！」
『…すごい。毎日あんなに忙しいのに、英語の勉強きちんと続けてたんだ。本当、尊敬するよ…。』
紫「ふふっ、ありがと！
そんなら、ご褒美くれる？？」
『え、何欲しいの？』
紫「A。」
『いやらしい話？？』
紫「いやちゃうわ！！！
大真面目やっちゅーねん！！
なんてったってプロポーズやで！？！？
どーしたらいやらしくなんねん！！！」
苦笑いしながら騒ぐ紫耀を、目をまん丸にして見つめる。
紫「A、一緒にニューヨーク行こ！！
俺、Aについて来て欲しい！！」
華やかな笑顔。
真っ直ぐな瞳。
飾り気のない言葉。
「この人について行けば大丈夫」
問答無用でそう感じさせる、力強いオーラ。
なのになぜ、私は即答できなかったんだろう。
仕事があるから。
家族に相談してみないと。
私、英語できないし。
今日もまたありったけの言い訳を並べ立てる私のことを、紫耀は優しく許してくれた。
紫「そんなすぐ答え出るモンちゃうって！
そんなん当たり前やん！遠いし！18時間もかかんねんで！？」
『いや…搭乗時間は別にいいんだけど……』
紫「……一生のことやし、ゆっくり考えて？
でも、結果的には来てくれたら嬉しい！！」
『…そこそこ強引だよね？』
紫「だってホンマの気持ちやねんもん！！」
そうだね。
紫耀はいつも真っ直ぐだもんね。
そして、本当は私も分かってるんだ。
私は結局のところ
紫耀には絶対、
逆らえない。
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きのこ(プロフ) - renrennagachanさん» ありがとうございます(^^)個人的にもお気に入りのレンナガセだったので、楽しんでもらえてよかったです！ (2020年8月10日 2時) (
レス) id: 0b6ff0fe38 (このIDを非表示/違反報告)
renrennagachan(プロフ) - 全てが最高でした！！定期的に読み返させて頂きます笑これからも頑張ってください。 (2020年8月10日 1時) (レス) id: 91d0c85321 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - rioさん» きのこでしたー！今回はキンキ兄さんの曲をお借りしてます！アウトと下ネタで気づかれるきのこ（清純派）…なぜ？？まぁそれは置いておいて…平野担さんにもリアコれんれんが刺さってもらえて嬉しいです！！ありがとうございますヽ(´▽｀)/ (2020年4月17日 19時) (レス) id: 0b6ff0fe38 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - まるまるさん» いやーその気持ちは分かります…なんなら元カレじゃなくて赤の他人でも悔しくなると思います…。その分の心の隙間をれんれんが埋めてくれるといいんですけどね！！頑張れ、顔面国宝ww楽しんでもらえたようで嬉しいです！ (2020年4月17日 19時) (レス) id: 0b6ff0fe38 (このIDを非表示/違反報告)
rio(プロフ) - えー！きのこさんだったの！？嵐の曲名じゃないから気付かなかった...(紫耀担ですがアラシック20年)でも読んでるうちに、これは...と思ったよね。アウト取られる度に。勃つかな？で確信に(笑) 忘れもんて。俺のもんてー！！！れんれん好き！(私、紫耀担だってば) (2020年4月17日 18時) (レス) id: 3a3ad29597 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きのこ
| 作成日時：2020年4月8日 22時
