Lφve Rainbow【Kaito.T】

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にっこりと笑う高橋くんからの提案はとても受け入れられるものではなく、ギャーギャーと泣き喚きながら首を振る私を見て高橋くんは「しゃーないなぁー…」とダルそうに溜息を吐き、


結果として、「間違えたら1枚脱ぐ」と言う、タチの悪い忘年会みたいな罰ゲームが課せられたのだった…


オッサンか。けど逆らえない。
これでも最初の提案よりはだいぶマイルドになったのだ…。最初の提案の内容は、とても言えたもんじゃない…




2回目の勉強会のとき、もう4月なのに無理矢理着込んだスプリングコートやマフラーを見て、高橋くんは呆れた顔を見せた。



「そんなに脱ぎたく無いなら、間違えなきゃいーでしょ？」




なんだか正論みたいなことを言われつつ、不自然な厚着は禁止されてしまった。




けどなんだかんだで私の服の残り枚数が少なくなるとさりげなくヒントをくれたり、つっかえてるところを説明し直したりしてくれるので



多分、ホントにゲーム感覚で面白がってるだけなんだろうと思う。




…主に、慌てふためく私のことを見て。





そんな罰ゲームはさておき…
追い込まれた結果なのか塾よりもよっぽど集中して問題を解くようになった私は、今まで分からなかったところも少しずつ理解できるようになって来て



高橋くんの穏やかで優しい口調でのゆっくりした解説は



なんだかとてもスムーズに、私の頭の中へと吸収されて行った。






学校では相変わらず、大した話をするわけでも無い。


隣だから、挨拶くらいはするけど。



でもたまーに、教室の端と端でそれぞれの友達とお昼ご飯を食べている時や

実験室や音楽室で隣ではない席になり、授業中にふと顔を上げた時にそのくっきりとした大きな瞳とパチリと視線が合うと、さも「秘密だよ？」とでも言いたそうにイタズラっぽい笑みを上向きの唇に乗せながら


相変わらずの萌え袖頬杖で、にっこりと微笑みかけられる。





高橋くんが何を考えてるのかなんて、ちっともわからない。



口調はいつもウザったそうなくせに




時折ふと上げる笑い声は、何でそんなに楽しそうなの？



「俺、お腹すいたぁ〜」って言いながら、いつも私の分までルームサービス頼んでくれるのはどうして？



教えてもらってるのはこっちなのに、どうしていつも律儀に家まで送ってくれるの？




ねぇ




なんで私に構うの？





私が高橋くんにお返しできるものなんて





何も




何も無いのに。

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