6 ページ6
本当のきょうだいなのかどうかは、もうどうでもよかった。
それを確かめる手段はあれど、本当の番かどうかを客観的に調べる手段は無い。
頼れるのは、己の本能のみ。
使えるのは
お互いの体だけ。
なぜ、平野さんを私の部屋へ入れたのか。
そんなもの知る由もない。
�爐修譴靴�なかった″。
そうとしか言えない。
違ったら諦める。
けど正解だったら、それはもう地獄でしかない。
それでも知りたい。
見ないフリのまま、この先の人生をそしらぬ顔で過ごし続けることはできない。
確かめたい。
それこそが、もはや本能の
ほら
だから、いけないと言ったのに。
二度と会ってはならないと
遠いどこかからの声が、聞こえていたのに。
その本はもう
開かれてしまった。
＊
『………っ……ふ………ッ………』
必死で枕に顔を押し付ける私の髪を、節ばった指が煽るようにゆっくりと絡めとる。
「…声、我慢せんでもええのに。」
クスクスと、からかうような声。
その声だけで体中の血が泡立ち、ゾクゾクとした快感が背骨を伝って脳を震わす。
『…壁、そんなに厚くないんです。』
うさぎ小屋みたいな狭いアパート。
ちゃちなシングルベットでシャツをはだけた平野さんはそれでも尚、変わらずに高貴だった。
優雅な微笑みを浮かべながら、これ以上なく悩ましげに絡みつく舌。
厚い手のひらに撫でられた部分が低温火傷のようにうずうずと火照り、わずかに残っていた冷静さを熱湯のように容赦なく
跡形も残らぬように、溶かして行く。
「…これ好きなん？
ここ、引っ掻くみたいにすんの…」
『いっ、言わないで下さい…！！』
「ははっ」と軽い笑い声が聞こえる。
けれどそれはすぐに収まり
今度は痛いほど真剣な鋭い視線が、真正面から私のことを射抜く。
「…ホンマにええの？
……まだ、今なら…………………。」
『いいです。』
躊躇う平野さんの、白い頬に手を添える。
戻る気があるなら、最初から部屋になど入れなかった。
今はただ見せて欲しい。
その物語の続きを。
呪われた運命の答えを。
ただ
教えて欲しい。
例えそれが
思わず目を背けたくなるような
残酷な結末だったとしても。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1290人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きのこ(プロフ) - ぱるるさん» いつもwwドロドロでしょうかwwさーせんwwそしてストレート過ぎる感想、あざすww今回の1番の目的はソレなんで（自主規制）（清純派）またいつかちゃんと紫耀くんメインのも書きたいですwwお付き合い頂きありがとうございましたヽ(´▽｀)/ (2020年3月21日 12時) (
レス) id: 0b6ff0fe38 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるる(プロフ) - きのこさんいつも最高にドロドロな小説書いてくれてありがとうございます（笑）紫耀くん落ちが好きな私がだれ落ちでも見れるあたりほんと天才なんだと思います。紫耀くんとも廉くんともやれて良かったです。あぁ、やっぱり最高です。 (2020年3月21日 2時) (レス) id: eee3c4021b (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - あさひさん» 興奮しているようでちゃんと歌詞を混ぜ込んでくれるあさひさんは天才コメンテーターですよね（笑）いつもあざす（笑）そしてちゃったり台風優太を諦めてない！まぁオチはともかく、私もあの姉弟には再会して欲しいとは思ってます！…書かないけどwwだって曲がアレだし！ (2020年3月15日 0時) (レス) id: 0b6ff0fe38 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - mtsさん» やめないじゃん！下ネタ全然やめないじゃん！！絶対反省してないじゃんwwいいんですよ…そもそもは作者の煩悩から始まったお話ですから。なのに気づいたら天城越えになってただけですから wwほぼ5分くらいでまとめたラストでしたが、個人的には気に入ってます！ (2020年3月15日 0時) (レス) id: 0b6ff0fe38 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - りなさん» 久しぶりに切ないお話を書きました！書けたことにびっくりでした（笑）泣いてもらえたなんて、びっくりです！是非ここで「途中下車」を！聴いて頂きたい！「信じることに疲れて1人眠りたい夜」あたりの歌詞が染みます！！しょぉぉおくぅうーーーん！！ (2020年3月14日 23時) (レス) id: 0b6ff0fe38 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きのこ
| 作成日時：2020年3月11日 22時
