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『あれ？』
お風呂から上がって半分ほど髪を乾かし、軽くまとめ上げて適当にシュシュで結える。
サラサラのガウンにフカフカのスリッパでゲストルームに戻ったら、部屋の前に廉が立っていた。
いつもの黒いスーツ姿で、滑らかな絹のネクタイは今にも解けそうに緩んでいる。
『え、まだ仕事中なの？』
廉「いや…もうみんな家帰ったで。」
『あ、そーなんだ。もう12時近いもんねー。
そういえばさぁ、廉はどうやってここまで通ってるの？家近いの？』
ごく自然に部屋へと入り、廉もそのままつられて入って来た。
廉「俺は敷地内にある1LDKの別棟に住んどるんや。ま、ほぼ住み込みやな。」
『あ、そーなんだ！通勤ラクそうでいいね！』
廉「走れば10秒やで。」
『…なんで敷地内なのにそんなギリギリなの？』
呆れた声を出した私に、廉は何も言わなかった。
不思議に思って振り向くと、なぜか苦しそうに顔を歪めた廉が
淡いオレンジの間接照明に照らされながら
不貞腐れた子どものような瞳で、私のことを見つめていた。
ドキッと心臓が音を立て、耳の奥に
どこか遠くからの警鐘が聞こえる。
そうだ。
棘を
先に、棘を
抜かなければならなかったのに
「なぁ。」
廉が一歩ずつ近寄って来る。
同じだけ後退りして距離を取ろうとするものの、私の背中はすぐに壁にぶつかり、逃げ道は閉ざされてしまった。
『…な、何？』
廉は怯える私を悲しそうに見下ろすと
細い腕をゆっくりと伸ばして
まるで目隠しをするように、私の頭を包み込んだ。
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きのこ(プロフ) - りなさん» 面白いから残しておきますwwww (2020年3月25日 1時) (
レス) id: 0b6ff0fe38 (このIDを非表示/違反報告)
りな - コメントする場所間違えてました(有り得ない)消すかスルーでお願いします、、、穴掘って帰りたい、、、() (2020年3月25日 1時) (レス) id: ba24aa010a (このIDを非表示/違反報告)
りな - うわああ！！カイちゃん最低すぎる！！なんて残酷な！！顔が良いからって畜生！！って思って読み進めてるうちに、まんまときのこワールドのかいちゃんに堕ちてました。アーメン。 (2020年3月25日 1時) (レス) id: ba24aa010a (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - ゆり:)さん» いつも褒めてくれるゆりさんらぶ！！私も最初書き始めたときはこんな流れになるとは思っでませんでしたwwさり気ない間なんかは頭の中で映像化したものを言語化してます！勝手にドラマ化！同じ映像が見えてたら嬉しいなヽ(´▽｀)/ (2020年3月24日 10時) (レス) id: 0b6ff0fe38 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり:)(プロフ) - ツッコミ(ミカコちゃんのツッコミ大好き)や紫耀くんの天然さにクスクス笑ってたのに、一瞬にして深い深い魅惑の波に飲まれてしまうこのギャップ。紫耀くんのさりげない遮りや一瞬の沈黙に隠された廉くんにも惹かれる主人公への切ない想い。あぁ、名作。天才です。らぶ！ (2020年3月24日 0時) (レス) id: 3ddef168f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きのこ
| 作成日時：2020年3月2日 22時
