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「いきなりそんなん言うても、世間から見たらただの詐欺やん！！ただでさえそのナリで怪しさ満点やのに！！もーちょい順を追って説明せんと！！」
車の助手席が開き、スーツ姿の細い男の人が降りてくる。
ギャーギャーと関西弁で喚き散らすその高い声には聞き覚えがあった。
『え！…………もしかして、廉！？』
「…久しぶりぃ………」
ほんの少しバツが悪そうに呟く彼は、
その細長い体にぴったり合わせて誂えたのであろう、やはり仕立ての良さそうな黒いスーツ姿だった。
廉は、私の幼馴染みだ。
生まれてから小学校6年生まではマンションの隣同士に住んでいて、幼稚園も小学校もほとんど毎日一緒に通っていた。
けど中学に上がるのと同時に大阪へ引っ越してしまい、長年の習慣は呆気なく終わりを迎えた。
いなくなった時は大層寂しかったものだけど、よく考えたら廉は意地悪で偉そうで
宿題を押し付けられたり掃除当番を押し付けられたり
髪の毛を引っ張られたり消しゴムを取られたり
決して「仲良しこよし」の幼馴染みではなかったような気がする。
それでも鈍臭くて要領の悪い私が困ってる時はさりげなく助けてくれたし、
廉以外の誰かにいじめられている時は、非力ながらも色んな汚い手を使って庇ってくれた。
今思えば、手のかかる妹みたいなモンだったのかもしれない。
縁が切れたら悲しいな…と思ったものの、
廉の親の実家がこちらにあったので、その後も夏休みと年末年始の年2回は、いつも家族で帰省して来た。
その間は、ほぼ毎日一緒に遊んだ。
たった数日だけど、毎日会っていた時と変わらない廉の態度が嬉しかったし、なんだか顔を見ているだけで安心した。
けど、会うたびに嘘みたいに身長が伸びていたり
サラサラだった髪の毛がきっちりとセットされるようになっていたり
子どもっぽかった服装が雑誌の中の人みたいになっていったり
可愛らしかった顔つきが、なんだか鋭く変わって来たりして
「廉だけど、廉じゃないみたい」なんて思い始めた頃には、もう大学生になっていて
彼は、夏休みや冬休みだからって、親と実家に帰省したりはしなくなっていた。
そしてそのうちに私も母に「人生経験だから」と1人暮らしを勧められて家を出た。
なので、会うのはかれこれ7年ぶり近い。
そして廉は
あの頃よりも、更に美しくなっていた。
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きのこ(プロフ) - りなさん» 面白いから残しておきますwwww (2020年3月25日 1時) (
レス) id: 0b6ff0fe38 (このIDを非表示/違反報告)
りな - コメントする場所間違えてました(有り得ない)消すかスルーでお願いします、、、穴掘って帰りたい、、、() (2020年3月25日 1時) (レス) id: ba24aa010a (このIDを非表示/違反報告)
りな - うわああ！！カイちゃん最低すぎる！！なんて残酷な！！顔が良いからって畜生！！って思って読み進めてるうちに、まんまときのこワールドのかいちゃんに堕ちてました。アーメン。 (2020年3月25日 1時) (レス) id: ba24aa010a (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - ゆり:)さん» いつも褒めてくれるゆりさんらぶ！！私も最初書き始めたときはこんな流れになるとは思っでませんでしたwwさり気ない間なんかは頭の中で映像化したものを言語化してます！勝手にドラマ化！同じ映像が見えてたら嬉しいなヽ(´▽｀)/ (2020年3月24日 10時) (レス) id: 0b6ff0fe38 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり:)(プロフ) - ツッコミ(ミカコちゃんのツッコミ大好き)や紫耀くんの天然さにクスクス笑ってたのに、一瞬にして深い深い魅惑の波に飲まれてしまうこのギャップ。紫耀くんのさりげない遮りや一瞬の沈黙に隠された廉くんにも惹かれる主人公への切ない想い。あぁ、名作。天才です。らぶ！ (2020年3月24日 0時) (レス) id: 3ddef168f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きのこ
| 作成日時：2020年3月2日 22時
