SHE! HER! HER! 【REN】

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廉「…メシ終わったんやから、お前もー帰ってもええんちゃう？」




パソコンに向かいながら、永瀬がチラリと横目で海人を見遣る。


海人はカバンから取り出したiPadに静かにペンを走らせているので、別に作業の邪魔はしていなかった。



ソファに座る海人の膝の上のiPadを覗き込む。




『あ！』




廉「あ？」




『グラフだ！』




廉「グラフ？
なんや、お前も仕事しとったん？」




『違う！
私たちの資料に入れようとしてたグラフ！』




永瀬が「えっ？」と驚きながらコタツからハイハイで這い出して来て、私と同じようにiPadを覗き込んだ。



エクセルで作ったグラフをそのままパワーポイントへ貼ろうとしていたのだが、数値や表の値はそのままに、専用のソフトで見やすく洗練されたデザインへと描き直されていた。





廉「すげ！オシャレやん！」




海「そこまで凝ったの作る時間は無いけど…こんくらいなら上出来っしょ！資料に載せる表が他と違うだけでも、ちょっと目を惹くからね。
あと使えそうな挿絵のデータも送るから、よかったら空いたスペースに貼り付けて？
データ重くならないように、軽めのJPEGに変換しておくね。」




『わーホントに全然印象違う！！すごい！
ありがと海人！！』




廉「なんやお前、てっきりヒモ志望なんかと思ったら、意外とちゃんと仕事するんや。」




海「ナガセのためじゃないからね！
てかさ、もう遅いんだからさっさと帰りなよ！
�狃�電逃してもた〜″とか言ってちゃっかり泊まろうとしたって、そうはさせないから！」





廉「そんな女子大生みたいなことするか！！
あほ！！あと下手くそな関西弁のマネもやめとけや！！」





最後までブーブー言い合いながら、2人は揃って我が家を後にした。




…キャンキャン喧嘩してるところが、それはそれでしっくり来るようになった気もする。




コタツの上の資料をまとめながら、ちょっとだけ暖かい笑みが溢れた。

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