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廉「………隠れたつもりぃ?」
『べべべべ別にそーゆーワケでは……』
廉「…嫌なん?」
『…いいいい嫌なワケでは…………
た、ただ彼氏でもない人とこういうのはちょっと……!!』
廉「は?彼氏でええやん。
てか、そのつもりやってんけど。」
『………えぇっ………』
軽ぅ……
いやまぁ、はっきりしただけマシなんだろうか…
廉「なんや、ちゃんと言うて欲しかったん?
…んふふ……かーわいっ。」
恥ずかしさがピークに達し、プイッと顔を逸らした私の頬に、永瀬の大きな手が伸びて来る。
思わずギュッと目を瞑った瞬間、まぶたの上にちゅっ…と柔らかな感触が降って来た。
『え?』
そっと目を開くと、今度はおでこ、鼻の頭、頬…と、次々にキスが降って来る。
『ちょっ…!!くすぐったい…』
困った顔で見上げた永瀬は、口の端をキュッと引き上げて微笑んでいる。
廉「…どこがええ?」
『はぃっ!?!?』
廉「次、どこにして欲しい?
言えたらソコにしたるで?」
なぜか嬉しそうに、ニヤニヤしている永瀬。
さっきがピークだと思っていた私の恥ずかしさはさらに臨界点を超え、もはや金魚のように口をパクパクさせたまま固まることしかできない。
余裕そうな永瀬が、何も言わない私を見て「ふっ」と笑う。
廉「ブーーーーーーーー!!
はいダメーーー時間切れーーー!!」
楽しそうな声を上げたかと思ったら、大きな手で強めに頭を固定されて
冬の夜空の漆黒よりも深いキスを
唇に思いっきり、
ぶちかまして来た。
びっくりして目の前の浴衣の肩を掴むと、逆にその手首が掴まれて、ゆっくりと肩から外される。冷え性のはずの永瀬の手が、今は燃えるように熱かった。
湿った唇が少しずつ下りて来て、首や鎖骨を這い始める。
『な、永瀬!!ストップ!!一回ストップ!!』
廉「れん。」
『はぃっ!?!?』
廉「こんな時ぐらい下の名前で呼んでくれてもええやん!!ホラ言ってみ?爐譟爾鵝蹇」
『な、永瀬…廉………』
廉「なんでフルネームやねん!!あほ!!
そーゆートコが素質無いんやて!!!」
怒った永瀬がシュルッ…と勢いのままに私の浴衣の帯を解く音を、遠のく意識の端っこで聞きながら
もっとワケわかんなくなるぐらい、しこたまお酒を飲んでおけば良かった…と
なんだか不健康な後悔に、襲われていた。
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きのこ(プロフ) - ゆり:)さん» 気づくのが遅くなりました!さーせん!通知来てねぇぞ?(怒)おかわりしはは、ありがとうございます!白米は旅館で出るので、そのあとに布団の中でもっといいもの与えてあげて(自主規制) (2020年10月14日 11時) (レス) id: 0b6ff0fe38 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり:)(プロフ) - 久しぶりのしはは。感無量。良い子で平らげる廉さんに白米たくさん与えたい。ありがとうございました! (2020年10月5日 3時) (レス) id: 4c9de357d4 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - ななかわさん» わーありがとうございます!微妙にノリの軽いチャラ廉は私もお気に入りですww好きになってもらえて嬉しいですヽ(´▽`)/たまーに質問頂くんですが、書いてる時は別にキュンともギュンともしませんww淡々としたもんで、全然潤わないですww (2020年4月16日 16時) (レス) id: 0b6ff0fe38 (このIDを非表示/違反報告)
ななかわ(プロフ) - きのこさんの作品でこちらが一番好きです。終始ドヤ顔風で、得意げにぜったい俺に惚れた!って思うれんくんを想像したらめちゃくちゃかわいかったのに、まさか真顔( ˙-˙ )で書いてらしたなんて……笑 (2020年4月16日 10時) (レス) id: fe68b6cd78 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - みずほさん» いえいえ、お話はお暇なときに読んでもらえれば十分ですよ!Black Jokeもハマってもらえて嬉しいです(^^)つい先日無事に完結しましたので、また思い出した時にでも覗いてもらえれば嬉しいです! (2020年4月16日 0時) (レス) id: 0b6ff0fe38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きのこ | 作成日時:2020年1月16日 23時