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『…永瀬、この子のこと送ってあげてよ。』
廉「…え?」
永瀬にあれこれ楽しそうに質問しながら、
妹は私が出した夕飯をいつのまにかペロリと平らげていた。
壁ににかかったシンプルな時計と、ここへ来てからずっとご機嫌な彼女を見比べる。
『どーせあんたもそろそろ帰るでしょ?
もう結構いい時間だしさ。…手間かけて悪いんだけど。』
妹「えぇ〜、でも悪いですよぉ〜!
私なんて1人で歩いてても何もされませんから、大丈夫ですよぉ!」
なぜか勝ち誇ったように微笑む妹を見てから、永瀬が困ったように眉を下げて私のことを見上げる。
『…そんなことないでしょ。あんた可愛いんだから。
ホラ、私だってもうお風呂入って寝たいし、2人ともさっさと帰る!』
永瀬は何かを諦めたかのようにコートを羽織りながら「家、どこら辺っスか?」などと優しげな声をかけている。
笑顔の妹と、相変わらず何か言いたそうな永瀬に軽く手を振ると、力の入らない手でパタン…と玄関のドアを閉めた。
『…1万円、貸さないで済んでラッキー。』
わざと声に出した言葉が
1人きりの部屋の中で
これ以上無く惨めに
響き渡った。
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きのこ(プロフ) - ゆり:)さん» 気づくのが遅くなりました!さーせん!通知来てねぇぞ?(怒)おかわりしはは、ありがとうございます!白米は旅館で出るので、そのあとに布団の中でもっといいもの与えてあげて(自主規制) (2020年10月14日 11時) (レス) id: 0b6ff0fe38 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり:)(プロフ) - 久しぶりのしはは。感無量。良い子で平らげる廉さんに白米たくさん与えたい。ありがとうございました! (2020年10月5日 3時) (レス) id: 4c9de357d4 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - ななかわさん» わーありがとうございます!微妙にノリの軽いチャラ廉は私もお気に入りですww好きになってもらえて嬉しいですヽ(´▽`)/たまーに質問頂くんですが、書いてる時は別にキュンともギュンともしませんww淡々としたもんで、全然潤わないですww (2020年4月16日 16時) (レス) id: 0b6ff0fe38 (このIDを非表示/違反報告)
ななかわ(プロフ) - きのこさんの作品でこちらが一番好きです。終始ドヤ顔風で、得意げにぜったい俺に惚れた!って思うれんくんを想像したらめちゃくちゃかわいかったのに、まさか真顔( ˙-˙ )で書いてらしたなんて……笑 (2020年4月16日 10時) (レス) id: fe68b6cd78 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - みずほさん» いえいえ、お話はお暇なときに読んでもらえれば十分ですよ!Black Jokeもハマってもらえて嬉しいです(^^)つい先日無事に完結しましたので、また思い出した時にでも覗いてもらえれば嬉しいです! (2020年4月16日 0時) (レス) id: 0b6ff0fe38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きのこ | 作成日時:2020年1月16日 23時