時計じかけのアンブレラ【 SHO 】

おまけのおまけ　2 side...REN ページ40

スーツケースは預けたので、時間潰しのために手持ちの鞄からスマホを取り出す。




と、鞄の中に1通の封筒が見えた。




昨日、紫耀が「向こう着いたら見て！」って渡して来たヤツ。




…なんやねん、今更。手紙？




全然内容が予想つかんのやけど…




まだ待合室やけど、もうバイバイしたんやし、別にええやろ。




そーっと封筒を摘み上げて中身を取り出す。




中身は、手紙では無かった。






廉「なんやコレ………やっぱ嫌がらせやん。」




どっか外の、広場みたいな風景。




たくさんの落ち葉の中でこちらを振り返り、無邪気に笑うAと


ちょっと目を細めて、枯れ葉のベッドみたいなところに仰向けで寝っ転がっとる、Aの写真。





廉「…こんなん、どーしろっちゅーねん。」






軽く溜息をついた後にちょうど響いた搭乗案内のアナウンス。




もう一度、手の中の写真の笑顔を見下ろす。






廉「…おかえり。」






ハッと我に返って思わず「…はずッ！」と呟き、
封筒をそーっと鞄に戻してから背筋を伸ばして立ち上がると




我ながら折れそうな細い足で




新しい世界へのゲートへと向かって、




しっかりと、歩き出した。






【END】

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