ダイヤモンドスマイル 2【Ren.N】 (ページ9)

今日:30 hit、昨日:13 hit、合計:30,932 hit

58 ページ9

そんな中、利害が一致してルームシェアしとった院の先輩が、家の事情で実家に帰ることんなった。

正直、色んな意味で「潮時かな」って思った。

なんだかんだで、やっぱ俺にはご縁の無い世界やったんやなって。
就職や進学は諦めて卒業だけして、地元帰って教師にでもなろかな。念のため、教職課程取ってたし。つまり、どっかでそーゆー保険かけちゃうような性格ってところが、またアレやねんけど。

けどそれにしたって、住むとこどーしよ。

1人でここに住み続けるなら、単純計算で家賃は倍になる。
とは言え引っ越すとしても、卒業まであと1年も無いのに、また敷金礼金払って新しいとこ借りなあかんの？

正直、今の自分に後ろめたさがあるせいか、どちらも親に相談するのは気が引けた。
多分「言ったら払ってくれるやろな」って分かってたから、余計に。

自由になりたくてもがいているのに、いざ外へ飛び出す勇気が出ない。
似たような場所で行ったり来たりを繰り返して、何も持たずに勝負する度胸も無い。

そんな人生絶賛迷子やった俺が密かに息を吐けたのが、バイト先で「この人のことを手伝って」とあてがわれた、営業事務の女の人とのやり取りやった。