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side...REN
自分が「ものづくり」に向いてないってことは、気付いてたよ。
ホンマは多分もう、結構前から。
座学はできるんやけど、�狷帆論�″みたいなのがあんまり無くて、「人と違うデザイン」とか、「あっと驚かせる工夫」みたいなアイディアが、なかなか浮かんで来ない。
そーゆーのってほとんど閃きで、どんなに勉強したところで出ないモンは出ないし。
手先も不器用で、立体模型とかデザイン画なんかは、他の学部のちょっと器用なヤツのがまだマシちゃう？ってぐらいの有様。
父親が建築関係の仕事してて、それ見てカッコええなって思って同じ道目指したけど、いざ足を踏み入れてみたらテンで適性ナシ。
それでも、その専門性から割と閉ざされた世界である建築学はある意味潰しが効かず、結局は「光る何か」を持たない劣等生のまま、進路選択と言う岐路に立たされていた。
そもそも理系全体に言えることかもしれんけど、特にこの学科の生徒は進学率が高い。
学部卒で関連会社に入ろうとすると、「なんで院に行かなかったの？」なんて聞かれるぐらい。
つまりは「それだけ勉強することが多い」ってことやけど、そこまでしても、ホンマに活躍する建築士になれるのなんてごく僅か。
好きなことしたくて独立しても、今どき個人事務所じゃ、そんなに稼げないらしいし。
あーあ、八方塞がり。
自信が無い。夢も無い。ついでに言えば、課題が出るたびに自腹で揃えなあかん資材のせいで金も無い。
親から仕送りはもらってたけど、学業がハードでろくにバイトもできへんから、生活はいつもカツカツ。
しかも仕送りもらいながら大学通ったくせに、「もしかしたらその道に進まないかも」って罪悪感のせいで、段々親ともあんま連絡取らんようになってた。
「少しでも自立したい」って気持ちから、�狠亮韻△蠅泙后蹐辰討箸海鰺�用して、まったく身内の話はせぇへんまま、東京にある親の関連会社にアルバイトとして通い始めた。
それだって、単に慣れ親しんだ社名で安心感があったからってだけ。
それにここまで文句タラタラな割には、俺には建築以外、他にできることなんて無かった。
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作者名：きのこ
| 作成日時：2023年8月21日 1時
