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「まぁつまり何が言いたいかって言うと、永瀬の今までの努力は無駄にはならないよ、絶対。
もし院に受かったら、今まで以上にめちゃくちゃ勉強しろや。みんな同じ学費なら、元取ってなんぼだろ。」
「…了解っス。」
口元にふんわりとした笑みを浮かべる永瀬くんは、つい見惚れてしまうほどに綺麗だった。
「とりあえず、一回親御さんに連絡しなよ。
成人した息子とは言え、心配してたからさ。学校に連絡して、出席してることだけは確認済みだったらしいけど。」
「うぇ″ぇ〜、マジすか！？はっず！！」
優太の言葉に、途端にジタバタし始める永瀬くん。けれどこれで色んなつっかえが取れて、ずっとモヤがかかっていた未来への道にも、新しい風が吹くことに違いない。
「んで、俺は今日どこで寝ればいーわけ？」
智くんが、自分のキャリーケースを見てため息を吐く。
「ホテル取ればいーじゃん。どーせ、またすぐあっちにとんぼ帰りなんでしょ？」
「えぇっ、嫌だよぉ面倒くせー。」
「俺んち来る？」
「ニノんちかぁ…」
実は仲良しの2人がごちゃごちゃと言い合いしながら、その場はお開きとなった。
今日はバイトの無い永瀬くんはそのまま帰宅し、私と優太が残される。
終始難しい顔をしていた優太は、そのまま私をひとけの無い資料室へと引っ張って行った。
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作者名：きのこ
| 作成日時：2023年8月21日 1時
