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永瀬くんはお洒落なピンクのショッパーをベリベリと雑にこじ開け、中からスモーキーピンクの可愛らしいジャケットを取り出した。
廉「これ。着いや。」
『えぇっ?何で?』
廉「それは鏡で自分のパーカー見たら分かるやん。ほらダッサ。」
『うわムカつく!
それにしたって、こんな高そうなの買えないよ!!』
廉「別に、金なんかええわ。」
『そんなわけに行かないでしょ!!』
廉「チッ…ほーんまお堅いヤツやな…。
えーっと…貰ったんや!!
俺も!お店で、たまたま!!サンプル品や言うて!」
『サ、サンプル品…??』
廉「そぉや!!つまり、金かかっとらんねん!!
だから気にせず着たらええって!!俺が持ってたって仕方ないしな!!!」
『化粧品でもあるまいし…そんなことある?!
男の人にレディースのサンプル渡すなんて…。
大体、今ショッパーから出したよね!?』
廉「俺様やから!!
サンプルかて、お店の人がわざわざ包んでくれたんや!!見たか!!キンプリなめんなよコラ!!!」
『いや、別にナメてはいないけど…』
後ろで美容師さんがお腹を抱えて震えている。
もう何がなんだかよくわかんない。
廉「とにかく!さっさと着ろや!!」
永瀬くんがジャケットを投げて寄越す。
人様のお店でこれ以上モメるのもよくないような気がしたので、渋々着慣れたパーカーを脱いで大人っぽいピンクのジャケットを羽織った。
「あ、似合うね!
偶然だけど、リップの色とぴったり!!
スカートや靴とも合うし。さすが廉くん!」
廉「せやろー!?
さすが爆モテイケメン現役大学生のオシャレ王子やわぁ。」
なんか肩書き増えてない?
廉「じゃあ今日は突然なのにほんまありがとうございましたぁ!
今度は俺のメンテで来るんでぇ!」
「こちらこそ、ありがとうございました!みんなによろしくね。Aちゃんも、良かったらまた来てね!」
永瀬くんが私の腕を引っ張り、出口の方へと歩き出した。
『え?え?お金は??』
廉「さっきからカネカネうっさいねん、この貧乏人!」
『えぇーーーひっど!!』
廉「ええから、黙って付いて来いや!」
グイグイ引っ張られてお店を出る。
パタリと閉まったドアを見ながら、
「…こりゃあ極秘の大スクープだな。」
と美容師さんが呆れたように笑っていたことを、私は知らなかった。
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きのこ(プロフ) - よしさん» いえいえ、こちらこそ〜!!Freak outも、楽しんで頂けたら嬉しいでーすヽ(´▽`)/ (2021年1月24日 16時) (レス) id: 0a6f63d686 (このIDを非表示/違反報告)
よし(プロフ) - きのこさん!!ありがとうございます!楽しみにしてます!!Freak out挑戦してみます!!ありがとうございます(/^-^(^ ^*)/ (2021年1月24日 5時) (レス) id: eebe64cef8 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - よしさん» すみませーん!続きはまだ調整中なので、終わったら全体公開にします!しばしお待ち頂ければと思います(>_<)Freak outはフラグ読める設定になっていれば、私の作品一覧から行けると思うのですが… (2021年1月24日 0時) (レス) id: 0a6f63d686 (このIDを非表示/違反報告)
よし(プロフ) - きのこさん!いつもキュンキュン話で大好きです。この続きを読みたいのですが、パスワードを教えて頂きたいです。あと、Feakeoutにアクセスできずで、読み方の方法を教えて頂きたいです。 (2021年1月24日 0時) (レス) id: eebe64cef8 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - かなたんさん» 高校生って、とても貴重な時間だと思いますよ!廉くん大好きな方に読んでもらえてよかったです。どうぞ毎日を楽しんで! (2020年6月18日 10時) (レス) id: 0b6ff0fe38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きのこ | 作成日時:2019年4月4日 22時