母は強い ページ7
『ただいま。』
消え入りそうな声で玄関を抜け自分の部屋に入る。
そのままベッドに倒れこんだ。
制服とか、この煩悩とかいろいろあるけど今は眠りたかった。
何も考えたくない。もう疲れた。そうだよ、カリンが全部悪いんだよ。
弁解しなかったミスズも悪い。私は別に何も悪くない。
そんな思いで目をギュッと閉じればだんだん眠気が襲ってきて、夢の世界、へ、と・・・
ダンダンダン！！！！
『へぁ！？！？！？誰だよ！？煩いよ壊れるよ！！』
もの凄いノックの音で現実に引き戻されればドアを隔てて聴こえてきたのはお母さんの声。
母「A？帰ってたんならちゃんと挨拶して！ていうか珍しいわねアンタがすぐ部屋に行くの。」
「学校で何かあったの？」と聞かれればまた気持ちが沈んできて近くにあったクッションに顔を埋める。
柔軟剤と日の匂いがして心地いい。
『・・・母さんはさ、友達が貶められそうになってたらどうする？』
少しくぐもった声で聞けばドアに母さんは背を預けた。(音だけなので分からないが)
母「そうね・・・助ける。」
『どうやって？』
間髪いれずに聞き返せば何の躊躇もなく返答が帰ってくる。
母「そんなん臨機応変よ。私は別に父さんとアンタみたいに強くないもの。」
母さんはシルフという風の精霊で少しの魔法しか使えないらしい。父さんは死神で物理的に強いという。
精霊と死神。光と闇が合わさったから私というどちらも使える者になった。
『強くなかったら・・・助けられないのかな。』
弱弱しい声が自分でも聞いていて嫌だった。
母「そんな訳無いじゃない。力が全てな訳じゃないのよ。」
そう言った母さんにふつふつと怒りがこみ上げてきた。
『今さっきから希望論しか言ってないじゃん！！結局自分じゃ助けらんない！！それだけの事でしょ！？』
ドアに向かって叫び散らした後には後悔と罪悪しか残らない。思わず目が熱くなったが母さんは変わらなかった。
母「そうね。希望論ね。」
溜息混じりに呟かれたそれは自分に言い聞かせてるみたいにもみえて。
目を伏せると「でも」と続けた母さん。
母「それは自分１人で行ったときの愚論よ。」
『・・・え。』
母「アンタ自分１人で抱えこんでない？アンタの周りに人は居なかった？ゾム君だっけ？あの子だってそんな薄情な子なのかしら？」
涙で染みができたクッションから顔を上げると脳裏にアイツらが思い浮かぶ。
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冬樹 - 終らないでケロ嫌じゃーーーーー｡:ﾟ(;´∩`;)ﾟ:｡ (2022年3月20日 19時) (
レス) @page10 id: 001335acb6 (このIDを非表示/違反報告)
(^O^) - うぇ↑？終わってらっしゃる？ (2021年6月13日 7時) (レス) id: 54e5655bfa (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 終わらないでぇ！めっちゃ面白そうなところなのに…出来たら頑張って更新して欲しいです (2021年3月13日 13時) (レス) id: 409dd9da63 (このIDを非表示/違反報告)
おつ2@通りすがりの饅頭 - 勝ったり！おつかれ様です！(´∀｀*) (2020年11月11日 21時) (レス) id: e7282832ce (このIDを非表示/違反報告)
きのこ教３ - レインさん» コメありがとうございます。そんな！（照）（＃すぐ調子のるんでコイツを褒めちゃいけないです。） (2020年11月7日 21時) (レス) id: 9184950dc8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きのこ教3 | 作成日時：2020年7月18日 13時
