ここは「ヘタリア」の世界みたいです。

７　不正解みたいです。 ページ7

「お前はこんな夢を前にも見た事があるのか？」

「いいえ…。」


普通の夢ならもっとぼやけて音は聞こえるし、物もこんなにはっきりとは見えない。

なにより夢なのに自分自身を動かしているという事がおかしい。


そして、夢なはずなのに『感覚』がある。


夢なら、過呼吸の感覚も過呼吸になるほどの恐怖も目が醒めたあとの後味の悪さに変わる。

背中を撫でられていた手だって『感覚』としてある。


『感情』はあっても『理解』とか『感覚』はない、それが夢。


それなら…？


ここまで考えた時、違和感とは別の何かを味わった。



あー、この『感覚』こそ悪夢の後味の悪さなのに。

何か取り返しのつかない事をやっちゃって、やばいってところで目が覚めて。


ちょっと荒い息と天井があって、

『夢』で良かったなんて考えながらその感覚が引いていくのを待つ。


そんな『夢』なはずなのになぁー。


自分の『理解』が正解なのか…ここは『夢』？


自分の『感覚』が正解なのか…ここは『夢じゃない何か』？


自分の『感情』は？

こういう時はこれで決めるのが一番だと、どの物語にも書いてある。


でも今、『感情』なんて知らないって感じで『理解』と『感覚』が叫んでる。

いや、こんなのが『夢じゃない』って少しでも思ってる時点で、


『私』がきっと不正解。

８　ため息くらい出るみたいです。→←６　夢だと思うみたいです。

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