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知らない話もあるみたいです。 ver菊 ページ50

「…逃げられましたか」


目の前にいきなり人が現れ、消える。そんな現象を体験したのにもかかわらず落ち着いているのは、周りの影響だろう。


「最後に脅してみたのがいけなかったんでしょうか…?」


しかし自分が出したのは少しの殺気。そこまで怯えられるものだっただろうか。

最終的には自分の愛刀を使うつもりだったのだが、出番はなかった。


留守番を任されている身で侵入を許してしまったのは失態だ。

人の気配ならわかるはずなのだが、今回は気配が全くしなかった。


よほどの手練れ…というには違和感だらけで、むしろ隙の方が目立つような侵入者。

日本語が通じ、黒髪黒目というからには日本人である可能性が高い。


そして女。ここまで条件が重なったのだ。先日の話は彼らが寝ぼけていたという事ではなかったらしい。


「ただいまー!俺様戻ったぜー!」

「シヅク、ただいま戻りました!」


玄関の方から威勢のよすぎる声が聞こえた。噂をすればなんとやら。


「お帰りなさい。君たちが相手をした女、夢ではなかったようです」


「!アイツまた来てたのか」

「…今度は謝るつもりだったんですが…どうでしたか?」


「いえ、すみません。脅して逃がしてしまいました」


「はぁ!?まさかお前、無抵抗の女に手ぇ上げたり


「していません。すこし脅かしただけで消えられました」


「俺様の弟子がそんなことしねーよな。でも、それなら」

「僕と師匠が見た女と同じ女を菊さんは見たという事ですよね。
…その人は前に来たときに怖がらせすぎちゃいましたから…」


部屋へ行く途中、引っかかっていた違和感が解けた。


「…シヅク君、彼女に似ているんですね」


「ほーらな、やっぱり俺様の見立ては間違ってなかったぜー」

「…そんなに似てる…んですかね?」

「お前は自分の事に無頓着すぎ」


首をかしげる黒髪黒目の少年と、その師匠であり、指折りに無頓着な部分を数える銀髪赤目の青年。

もう少しすれば他の者も帰ってくるだろう。

彼女がどこから入って来て、何の目的だったかは分からない。

それが普通ならば不安の種になるところなのだが、なぜかそんな気がしない。


彼女が無防備すぎること、シヅク君に似ていること。

そして何故か、また会ってしまう気がしていること。

この三つの要素のせいだろう。


とにかく今は、ギルベルト君とシヅク君の報告…の前に、お茶とお茶菓子を持っていこう。



―菊の予感があたる話は、別の機会に―

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設定タグ:ヘタリア , トリップ , シリアス   
作品ジャンル:ファンタジー
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火藍 - 次回予告が素敵です!!*´ `* (2016年10月8日 14時) (レス) id: 62bdde95ad (このIDを非表示/違反報告)
きのこ@竜音(プロフ) - ももさん» コメントありがとうございます!もっとガチな感じになるように努力しますね! (2016年1月31日 19時) (レス) id: 1bb9c4389b (このIDを非表示/違反報告)
もも - これはガチって感じ的な!☆(`∀´)☆(キラーン)☆ (2016年1月30日 21時) (レス) id: 39fd51a07e (このIDを非表示/違反報告)
きのこ@竜音(プロフ) - 猫科女子さん» コメントありがとうございます!返信が遅くなりすいません…。プロイセン師匠のかっこよさに気づいて下さり嬉しいです! (2015年10月2日 14時) (レス) id: 1bb9c4389b (このIDを非表示/違反報告)
きのこ@竜音(プロフ) - うえきばちのサボテン*さん» コメントありがとうございます!返信遅くなってすみません…。頑張りますね! (2015年10月2日 14時) (レス) id: 1bb9c4389b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きのこ@竜音 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kinoko1251/  
作成日時:2014年8月22日 13時

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