34 人間じゃなかったみたいです。 ページ41
「待たせて悪かったな、雫。…色々分かったから、順を追って話す」
入って来たのはアーサーさん。
…さっきの謎の存在のことを聞いてみた方がいいんだろうか?
「…お前が逢ったと思われる存在についても後から説明する」
「は、はい」
考えが読まれた…とか?
「まず、ギルが言っていた『俺達国の時間軸に関わりすぎることで発狂するのではないか』だ。
答えはノー。
これからよほど大きな変化がお前か俺達国に起こらない限り…いや、起こったとしてねえだろうな」
とりあえず良かったんだよな?発狂なんてあんまりしていいものでもなさそうだし。
「次、『ギルが襲われそうになったら敵が倒れた』ことについてだ」
「え?」
一昨日の夜の話は、ざっくり説明を受けた限りじゃ私には何も関係はなかったはず。
確かに同時に倒れたのは不自然だろうけれど、疲れとか、そういうものなんじゃないのか?
「…調べてみた、というかあの部屋の中には実は魔法陣が書いてある。
魔力量みたいなものだったり、そういう色んなことが分かるように造られたもので、あの部屋に俺とリズが書いた。
で、その結果から導き出された推測の域を出ない話だ」
えっ魔法!?ああそうかここはヘタリアみたいな世界だ、そういうこともあるよね。
「お前は、魔法だとか超能力だとか、妖怪だとか妖精を信じるか?」
「…いたらいいなあとは思います」
…何でこのタイミングでそんなことを?
「実はお前は魔法使い…いや」
そこでいったんアーサーさんは言葉を切る。
そして、目線を私にまっすぐあわせる。
「人間じゃないだろう、と言ったら?」
突拍子もない。
からかっているんだろう。
なんて考えは、すぐに消える。
一つは、嘘じゃない気がしたから。
勘、というやつなのだろう。
一つは、自分でも少しびっくりしたことに何故か、納得している。
すとんと落ちた、というか、腑に落ちた、というか。
ああ、そうか、私、人間じゃなかったんだ。ぐらいの。
ただし、ここが夢なんかじゃないと分かった時に感じた寒気…みたいなものは感じてる。
ちょっと体が震えるような、あの、悪夢の中の。
きっとこの感覚があるってことも、この話が嘘じゃないという証拠なのだろう。
なら。
そんなことに納得さえしてしまった私は
自分で自分を何だと思ってるんだろう?
なんなんだろう?
34.5 知らない話もあるみたいです、sideリズ・ギルベルト→←33.5 知らない話もあるみたいです、sideアーサー
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火藍 - 次回予告が素敵です!!*´ `* (2016年10月8日 14時) (レス) id: 62bdde95ad (このIDを非表示/違反報告)
きのこ@竜音(プロフ) - ももさん» コメントありがとうございます!もっとガチな感じになるように努力しますね! (2016年1月31日 19時) (レス) id: 1bb9c4389b (このIDを非表示/違反報告)
もも - これはガチって感じ的な!☆(`∀´)☆(キラーン)☆ (2016年1月30日 21時) (レス) id: 39fd51a07e (このIDを非表示/違反報告)
きのこ@竜音(プロフ) - 猫科女子さん» コメントありがとうございます!返信が遅くなりすいません…。プロイセン師匠のかっこよさに気づいて下さり嬉しいです! (2015年10月2日 14時) (レス) id: 1bb9c4389b (このIDを非表示/違反報告)
きのこ@竜音(プロフ) - うえきばちのサボテン*さん» コメントありがとうございます!返信遅くなってすみません…。頑張りますね! (2015年10月2日 14時) (レス) id: 1bb9c4389b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きのこ@竜音 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kinoko1251/
作成日時:2014年8月22日 13時