ここは「ヘタリア」の世界みたいです。

３２　部屋の中みたいです。 ページ38

「アーサーさんって、具体的にどんな方なんですか？」

「飯がまずい」

「それ以外で」

「ん―…先入観持っちまったらだめだろ…あ」

「え？」

「眉毛が太い」


うーん。


「師匠…」

「不満そうにしてもダメだ！…お前ならなんとかなるだろうし」


このままだとさすがに行き当たりばったり過ぎる…。


だけど、「ヘタリア」で得た情報を頼りにしたとして、「自分の感情」まで絡む今では深読みしすぎたりテンパったりするだけだろう。

描かれてない部分も当然あるはずだしなあ…。

とりあえず、様子をみてみようかな。


「朝ごはんを三回お願いします！」


様子みるどころじゃなかった。

冷静になると、ほとんど初対面の国にこんなこと言って良かったのか？


…と考えているここはアーサーさんとリズさんの家の、部屋の一つ。

朝ごはんの一件の後、無事にアーサーさんの家に着き、リズさんとも合流できた。


で、よく分からないまま部屋に放り込まれて、良いって言うまでここから出るな、と。


「紅茶とスコーン、あと何かあったら言えば準備はしてやる」

「声が聞こえる位置にはいるつもりだから、異変があったら必ず言って」

「ああ、あと部屋に置いてある本は読みたければ好きにしろ」

「今の貴女なら読めると思うけれど、分からなければ呼んで」


…優しい。

もしかして自己紹介するときに言った物語が好きってこと覚えててくれたんだろうか。


でもなあ。


「スコーン」

ってさっき言ってたよね？

言ってたよね？


………あれって常人が食べても生きて帰れるレベルの代物だったっけ？

むしろ倒してレベル上げるどころか魔王様のレベルじゃなかったっけ？


さっきご飯がおいしくないとか言っちゃったことを失礼だとか思ったけど、本当にやばいんじゃないか？


「やばいと思うよ」

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