ここは「ヘタリア」の世界みたいです。

２８　思うみたいです。 ページ33

取っ組み合いになれば怪我もするだろう。

まず一般人とけんかなんて国としてまずいんじゃないだろうか。


いや、やってた国も居たけれど…。


人数、確かに多そうだ。懐中電灯のような明かりに照らされているのだけでも六人くらいは…。

普通こういう(人を襲う)ことをするなら物陰にも隠れるはずだし、照らされている人数だけとは限らない。


…やっぱりダメだ。

そんな人数だったら、敵うはずがない、だろう。


「…明かりの数からして人数が多いな、いったい何を…ん？姉さんと、ルイーゼ？

何でこのタイミングで帰ってきたのか…。ということはアスター達も一緒…。

…雫？大丈夫か？」


迷惑をかけたくない。

見ず知らずの私にここまで優しくしてくれたんだ。

弟子だって、言ってくれたんだ。


ここに居ることで、『ヘタリア』の世界に居ることで、

色んな迷惑を掛けている。

怪我なんてさせたら、特に、師匠に怪我なんて…。


居たらいけないなら元の世界に戻ればいい、ここから消えればいい。

今、私は、自分がここから消える方法を知らない。

ここに居ることで迷惑をかけている、しかし消えることができない。


何にもできないまま、変われないまま、だ。


目線の先では、師匠が今にも殴りかかりそうな状況だった。



何もできない、変われない。


そんなことを考えてないで、もっと、もっと何か。


ただ今は、

師匠が怪我をしなければいいいな、

あんなやつらなんて、消えちゃえばいいのに、


そう、強く強く、思った

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