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「…ん、」
目を覚ましたそこは、白一色の無機質な部屋であった。
「え、」
ここどこ。
え?
ここどこ!?
なんで私がどこかも分からぬ部屋寝てたわけか、全く分からなかった。
「痛っ…!」
立ち上がろうとすれば、身体全身に痛みが走り、上手く立ち上がれない。
記憶を思い出そうと無理矢理頭の中から記憶を引っ張り出してみても、思うように思い出せなかった。
あれ、
私の頭、
もしかして…
包帯でぐるぐる巻きにされてる!?
「…思い出した。」
私はあの時、いらついてがむしゃらに走ってたら、人とぶつかって、
どこかで頭を打って、
大丈夫か、みたいなことを言われらんだけど、上手く言葉に出来なくて、
えっと…
ここから先の記憶は無かった。
ふとした瞬間に、この病室には、私だけが居る訳では無い、一人の空間では無いような感覚になった
横に視線を移せば、なんとそこには、
「!?!?!?!?!?!?!?!?!?」
なんでここに山田くんがいるの!?
え!?
なんで!?
頭が追いつかない。
「zzz…」
いやなんで寝てる!?!?!?
え、
ちょ、
え?
どういうこと。
え、
そういうこと!?
もしかして、私がぶつかった相手って、
山田くんだったってこと!?!?!?
「え、起こした方がいいのかな、、?」
そーっと顔に近付いてみると、柴犬のような懐っこい顔ですやすやと眠っている。
「(駄目だっ…!可愛過ぎて起こせないっ……!)」
どどどどうしよう…
疲れているのにも関わらず起こしてしまったら、なんだか申し訳ない気がして、私は自らナースコールを押した。
「Aさん!?先生!Aさんが目を覚ましました!」
こんな夜中に大声を出して駆けて行った看護婦さん。
「いやいや大袈裟だって…笑」
「…ん、え?Aちゃん!?あかん、Aちゃんがっ!ナースさん呼ばんと!!!!!」
「いやもう今自分で呼びました!」
「」
「」
え、ちょっと待って。
よく良く考えてみれば、
今病室には私と山田くんで二人きり。
これって、
今人生で一番…
幸せかもしれない。
「ねえ、Aちゃん。」
「は、はひ…///」
「今回のこと、ほんま申し訳ないと思ってる。こんな、まだ高校生なのに。」
「いえ!私が悪いんです。周りをちゃんと見ていなかったから…」
「これ、やる。」
「ふぇ?」
「ん、おわび。」
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作者名:雫 | 作成日時:2019年5月5日 16時