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あれは、雨の日の出来事だった。
でも、彼が私の目を真っ直ぐ見ることは、もう無かった。
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6月7日(金)
先生「では、さようなら。」
『さよーならぁー。』
「んっっっっしゃあああああああ!学校終わったあああああああ!」
「Aいつもより学校早く終わって良かったね笑」
「うん!今日のチケット代の為にめっちゃバイト頑張ったもん!」
「今日部活どうすんの?さぼんの?」
「お願いします許して下さい律子様。」
「てかバイト駄目だよね?ばらすよ?」
「律子様お許しを…」
「今日大雨みたいだけど、中止になんじゃね。」
「律子様…それは…」
「もーりっちゃん毒舌過ぎ!A死にそうな顔してるよ?笑」
「(知らね)」
「雪ちゃあああああああああああん泣」
「ごめんね?今日ゆうきくんとの予定どうしても断れなくて…一人ナイター観に行くとか、危険すぎて、ゆき心配だよ!?」
「大丈夫だ!私は全然一人でも怖くないから!それより悠樹とのデート、楽しんで!後でお話いっぱい聞かせてね!」
「うん、ありがとA!」
あれ、今何時だっけ。
雪ちゃんと律子と別れて、私は扉が閉まりそうになる総武線の電車に駆け込んだ。
“15:55”
ふう、このくらいなら全然間に合うね。良かった…学校早く終われて。
深呼吸した私は、無意識に目線は下から横の窓ガラスへと移した。
段々と激しくなっていく雨。
はあ…このままじゃほんとに中止になっちゃう…
新宿駅に着くと、降りたり乗ったりと、沢山の人々が電車を行き交った。
まあ、私はそのまま信濃町駅だけど。
あれ、おかしいな。
ヤクルトユニ着てる人が、車両を見回しても、私しかいない。
オリックスのユニホームを着ている人も、いなかった。
…もしかして、ほんとに中止なのかな…!?
どうしよう、どうしよう。
せっかく最前の席を取ったのに。
今日の為に、生きてきたのに。
“雨天により、試合中止”
この言葉が私の脳内を駆け巡っていった。
【次はー信濃町ー信濃町ー御出口はー右側ですー】
信濃町駅に着くと、私は急いで球場へと向かった
…学校に居た時よりも雨強くなってる。
泣きそうになるのを堪えて、私は無心に走った。
球場に着くと、人は数人のファンしかいなかった。
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作者名:雫 | 作成日時:2019年5月5日 16時