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ふと、視線を感じて振り返った。
叔父さんやギンたちが手を止めて微笑ましそうに俺たちを見ている。
それに気づいて慌ててピストルをしまうと、叔父さんがタイミングよく話しかけてきた。
「さてと、いつまでも人様の縄張りにいるのは気が落ち着かねぇ。おめぇさんたちも千葉に帰る準備をしな。けが人は全員、俺と病院行きだな」
「「「「「「「「「「えっ」」」」」」」」」」」
やっちまえ、の合図を顎で俺たちに向けると、八島組を捕え終えたA組の組員たちが一斉に俺たちにかかってくる。
「うおおお！！？」
「な、なんだよ！なにしやがる！」
「暴れンじゃねえ！コラ！」
「お嬢さん、アンタは怪我がなさそうだから助手席に座んな」
「あ…ありがとうございます」
「おい、パツキン小僧。オメーはお嬢ちゃんと一緒の車でいいんだよな？」
「おう」
「あ、俺も乗っけて」
「今井さーん！俺らもコンクリに詰められるんスか―――！？」
「ああ谷川！！チクショウA！！こりゃなんだよ！！」
「怪我人を病院に運ぶ儀式」
「「うそつけッッ！！！？？」」
3度目のワンボックスカー誘拐。
…あ、いや今回はバンが多いから、今までより酷い詰め方されるかも。
でも、開久や軟高の不良たちは慣れてしまって素直にホイホイ詰め込まれてるからつまらない。
今回叫んでるのは今井と谷川だけか…。
「いや、だからちゃんと説明してやれって」
「もう耳にタコ」
今回ツッこんできたのは伊藤だった。
前回のツッコミ担当相良は、相棒と仲良くボーッと突っ立ってる。
「…電池切れた？」
「は？なにが」
「何でもない」
「つーか、これってA組の伝統なのか？さっき叔父さんが指示出してたよな」
「本来は、新しく入った組員がカチコミの時にやられるうちの通過儀礼みたいなもん。俺はまだやる機会がないから、君らで試してるだけ」
「イニシエーション…」
空を見上げた。
カラリと晴れた空。
(終わった…)
A組をちゃんと守れた。
それを実感するのは、少し眠ってからにしよう。
「あ、おい…」
ドサリとその場に座り込んだ俺に、伊藤が話しかける。
でも、すぐに何かに気が付いて手を止めた。
「A…？」
目を閉じて寝ていることに気が付いたらしい。
伊藤はフッと笑って、その大きな手で俺の頭を撫でる。
「オメー、やっぱすげぇよ」
“尊敬する”
そんな言葉が、聞こえた気がした。
――――――
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黒のコ屋(プロフ) - S!nsei_zaさん» そ、そんな何回も読んで頂けるなんて…！糧すぎる！執筆の糧すぎるわ――！！（ﾄﾞﾝﾁｬﾝ騒）これはとことん付き合ってもらいましょう！えぇ！勝手に連れて行きますかお気になさらry…((殴 スミマセンふざけ過ぎました。笑 応援コメントありがとうございます〜^^ (7月27日 18時) (
レス) id: ec11750d33 (このIDを非表示/違反報告)
S!nsei_za(プロフ) - 初めまして！いつも楽しく読ませていただいてます！何回も読み直すくらい大好きな作品です！三週目終わった所です…笑これからも応援してます！ (7月23日 21時) (レス) id: 165fe81141 (このIDを非表示/違反報告)
黒のコ屋(プロフ) - 成瀬さん» コメントありがとうございます！主人公、ついにポロリと本音を出しちゃいました。もう本人の気持ちを知った元開久組に遠慮はありませんので、今後の絡みに乞うご期待ですね！（それを表現できる文才があるかどうかは別として）。最後までどうぞよろしくお願いします！ (6月14日 17時) (レス) id: ec11750d33 (このIDを非表示/違反報告)
成瀬(プロフ) - 個人的には書籍化して頂きたいくらいに大好きなお話なので、最後までついて行かせてください☺️これからもお身体にお気を付けて頑張って下さい。応援しています！！ (6月13日 20時) (レス) id: 778f9ea582 (このIDを非表示/違反報告)
成瀬(プロフ) - 主人公がどれだけ二人のことを、組のみんなを大事に思っているか、想いを読むだけで泣きそうになりました。そして名シーン、『二度と人の男に手ェ出すな』というセリフ、本当にかっこよかったです。智司相良と同じく目見開いちゃいました笑 (6月13日 20時) (レス) id: 778f9ea582 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒のコ屋 | 作成日時：2023年5月29日 18時
