カメレオン11【今日から俺は】

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86話


月曜日の朝。
いつものように目覚めると、制服に腕を通して下に降りる。

「おはよう」
「おう、おはよう」
「…はよ」

まだ眠たそうに目をこする相良。
今日は早起きできたんだな。偉い。
智司はお風呂を洗っていたのか、腕に泡がついている。

「飯、すぐ準備してやるから待ってろ」
「ありがとう。…腕に泡ついてるよ」
「あ？」

ポケットに入れていたハンカチでそこを拭ってやる。
ご飯粒つけた子供みたいで、なんか可愛いな。

「あ、そうだ智司」
「なんだ」
「悪いんだけど、昼前に軟高に迎えに来てくれないか？」
「…なんか予定あったか？」

いや

「実は俺、今停学中なんだ。勉強道具とか一式持って帰りたくて」
「「停学中！！？」」

そう、停学中なんだ。



　カメレオン



Aが学校にきた。
今度はちゃんと軟高の服着て、あのクソダセェ頭と眼鏡して商店街を歩いてる。

ダダダダダダダ

「あっ、ちょ…三橋！？」

伊藤に止められる前に駆け出すと、俺はその背中に向かって思いっきりドロップキックを仕掛けてやった。

「くらえ！必殺奥義」
「！」
「三橋スペシャルキ―――ック！！」

スカッ

クソ！避けやがったか！
相変わらず反射神経サル並みでムカつくぜ。

「朝からなにしてんの」
「おまっ…あぶねーだろ三橋！そいつまだ怪我人だぞ！」
「避けてんじゃねーよA。つまんねぇだろ」
「なんの覚えもないのにドロップキックかましてくるなんて、ただの通り魔かよ」

乱れた髪を撫で付けるA。
なんかムカつくから、取り敢えず頭を鷲掴んだ。
そのまま学校に向かう。

「扱い…雑…」

逆らうオメーが悪いのだ。










学校につくと、俺らはいつも通り屋上に向かった。
ヤクザの抗争に参加したってのに、相手がただの不良どもだった所為か…あんまその実感はわかねぇ。

「なぁ、Aおせーな」
「どうせずっと休みだったから、教室でチヤホヤされてんだろ」

鼻ほじってベンチで横になってっと、屋上の扉が開いて理子がやってきた。
汗かいて息あがってら…。
なんかあったのか？

「どうした理子」
「三ちゃん！大変なの！」

息も整わねぇうちに、理子が話し出す。

「ダンソウメイくん、さっき山口先生に呼び出されちゃって…。クラスメイトの皆がそれ見てコソコソ話してるから、何か理由を知ってるんだと思って訊いてみたの。そしたら…」

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