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「やり合わなくてもわかる。あの程度なら一発で伸せるぜ。…それよりまず、テメェをぶっ殺さねぇと気が済まねぇ」
「随分俺に執着するんだな。君に恨みを売った覚えは無いのだけど」
「恨み云々じゃねぇだろ。テメェは鬼だ。鬼を倒しゃ、俺の戦歴にも箔がつくってもんさ」
「…鬼退治が目当てってことか」
ただ人を助けるだけのために付けた赤鬼の面。
いつの間にか強さの象徴になっていたのかもしれない。
「あんなもので喧嘩を引き起こすなら、存外…付けない方がいいのかもしれないな」
「へっ、なにをごちゃごちゃ抜かしてやがる」
顔に向かって振りかぶった大嶽の拳を避けると、肘で弾く。
間髪入れず蹴りを入れたが、足を掴まれ体制を崩した。
「…っ」
地面に手をついて思いっきり足を払う。
拘束が解けてドテッとコケた所に大嶽のデカイ足が近づいていて寸で避けた。
ダンッ！と空振った足が地面を踏みつけて音を立てる。
「クソが…ちょこまかと」
「避けないと痛いじゃないか」
「うるせぇ！！」
ブン！
右フックを避けると、続けざまにパンチと蹴り2発。
…うーん、反撃しづらい。
そもそも体格差があるから、スピードだけでどうこうできる話じゃないんだよね。
困ったな。
「そうやって逃げてばっかじゃ、いつまで経っても終わらねぇなァ組長さんよ！！」
「まだ若頭候補」
「知るか！！」
「おい」
突然、大嶽の攻撃がピタリと止まった。
目を見開いて、俺の後ろを見ている。
すると、一歩下がった俺の背中にドンと何か固いものが当たって、後ろから受け止められた。
振り返ると、大嶽を睨みつける智司の姿が。
「替わるぜ」
彼はそう言って、いつもの柔らかい目で俺を見下ろした。
その口元には殴られた痕がある。
「…顔に一発貰ってない？」
「余計なトコ見てんじゃねぇよ」
“彼曰く余計な”指摘にムスッとするなり、智司は俺の頭を掴んでそのまま後ろに匿った。
…扱い……。
「おい、鬼退治の邪魔だ」
「うちの鬼は優しい奴なんだ。退治される謂れはねぇな」
俺が頭の無事を確認している側で、拳を鳴らす智司。
大嶽はハンと鼻で笑うと、標的を彼に変える。
「まぁいい。丁度ちょこまかと逃げられててイライラしてたとこなんだ」
「その割には顔面に一発喰らってんじゃねぇか」
「あぁ？」
ピキッと額に青筋が走る大嶽。
じっとタイミングを見計らうかのようにお互い見合うと、次の瞬間同時に動き出した。
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黒のコ屋(プロフ) - ぬんさん» ご感想ありがとうございます！ろ、六週目ですと！？なんと素敵なんだぬんさん！とっても嬉しいです〜！最近ｼﾘｱｽばかりでｷｭﾝｷｭﾝ要素が不足しておりますが、需要があれば番外編とかでたくさん作りたい…！引き続き頑張りますね！ありがとうございました^^ (2023年1月19日 11時) (
レス) id: ec11750d33 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - 神作品をありがとうございます……(;´༎ຶٹ༎ຶ`)現在六週目です。相良くんと片桐くんにキュンキュンしながら見てます(ง ◜௰◝ )ว応援してます！！！！！ (2023年1月17日 7時) (レス) @page45 id: 06c201b8c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒のコ屋 | 作成日時：2022年11月2日 17時
